今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

イエスタデイ


まず、傾斜の緩い劇場はダメだと痛感した。最近の新しい劇場は結構傾斜をつけてるけど、古めのシネコンはダメだ(涙)。実は、今回、目の前に背が高く、座高がめちゃくちゃ高い男が座ってしまい、スクリーンの下部に頭がかかり、字幕が長いセリフは読むのが大変だった(怒)。背の高い人は最後列に席を取るか、背もたれにしっかり背を預けず、後ろを気遣って座ってほしい。ちょっと、あそこの劇場のあの辺の席はもう行かない!と決めました(汗)。


さて、本編。


私は世代的にオンタイムでビートルズを見た世代ではもちろんないけど、同年代の人の中にはビートルズに詳しい人も結構いる。自分でレコードを買えるような年齢になってから、ビートルズにレコードで触れた世代と言えるかな。


私がビートルズというグループを認識した時にはビートルズは解散してたし、ポール・マッカートニーって「ウイングス」の人だったし、ジョン・レノンオノ・ヨーコの夫で平和活動家みたいな人(はっきり知らない…汗)だったし…


正直、ビートルズって音楽の教科書に載ってた「イエスタデイ」の他はサビの部分を知ってる曲がほんの少し。一緒に観た相方に呆れられるくらい知らない…


ラストで主人公がホントに楽しそうに「オブラディ・オブラダ」を歌ってるのを観ても、それがビートルズの曲だと知らなくて。「えっ!これもビートルズ?」って思わず口走り、相方がギョッとしてこちらを見ていた…(笑)。


ストーリーは、もしもビートルズを誰も知らない世界になったらっていう話。


主人公は仕事を辞め、シンガーの夢を追う。しかし、そろそろ自分の限界を感じ、夢を諦めようとしていた。最後と決めたステージを終えた帰路、突然の世界的な停電。それが原因で事故にあった主人公。この停電が主人公の人生を大きく変える。


たまたま演奏したビートルズの曲。ところが、誰もそれを聞いたことが無い。それどころか、「素晴らしい曲」だと褒められ、いつ作ったのかと聞かれる。主人公は「ビートルズ」を検索してみるがモニターにはカブトムシ!


停電を機に世界は微妙に変化してしまい、その変化に気づいてるのが自分だけ。主人公は次々とビートルズの曲を歌ってみせる。ただし、しっかり覚えてない歌詞もあって、そこは自分なり。


それまで、幼馴染で主人公に思いを寄せる教師がマネージャーを買って出てくれてた。ところが、超売れっ子のエド・シーランに見初められ、その前座として、大きなステージに立った主人公はどんどん注目され、幼馴染との距離が出来てしまう。


いつしか自分が借り物の歌を歌っていることを忘れてしまい、幼馴染が自分から離れていくことをやむなしと考えている自分自身に愕然とする主人公。


そして、彼の真実を知る2人が訪ねてきたことで、目を覚ます。真実を知る2人は、主人公のようにビートルズのことを知っている。でも、主人公を責めるのではなく、大好きなビートルズを、あの素晴らしい曲を聞かせてくれてありがとうと感謝される。あの停電の日、彼らにも何かあったのね。。。


そして、彼らから手渡されたメモを頼りに訪ねた家には元漁師のおじいさんがいた!この人の登場にはビックリ!彼に正直に生きることの大切さを説かれ、真実を明らかにしようと決断する。


そして、主人公は教師という仕事に戻り、そこで大好きな音楽を生徒や幼馴染と歌いながら生きる人生を手に入れる。好きな仕事をしながら、歌を楽しみ、大好きな人と笑顔を交わす。結局、正直にありのままの自分で生きることで、彼は夢を叶えるのだ。


私はビートルズをよく知らないからこそ楽しめた気がするなぁ。映画で歌われる曲はみな良い曲ばかりだった。それも製作側のメッセージが込められてるのかも(ただし、ビートルズをよく知らないから、その意図もちゃんとわかってはいない…汗)。その最大のメッセージは「ビートルズの曲は誰が歌っても名曲」ということだと思うが。


あのビートルズを世界中の誰も知らなかったら。そんな世界があったら、さぁどうなる?というかなり思い切った「壮大な」テーマで始まるおとぎ話。始まりはなんとも壮大なんだけど、話の中心はどこにでもある幼馴染の恋物語。そのアンバランスをどう楽しめるかはビートルズの好きさ加減によるのかなぁ(笑)。好きな人には、曲は楽しめても、そのベースのお話に共感できるのかなと…そのくらい普通なのだ(汗)。


例えば、ビートルズを知ってる度合いによっても楽しみ方は違うかも。曲しか知らない人とビートルズの様々なエピソードを知ってる人では感じ方は違うだろう。映画に登場する土地やホテルはもしかしたら、ビートルズに縁の深い場所かもしれない。それを知ってるか知らないかでは印象も楽しみ方もおおいに違うことだろうし…


ある意味、なんとも微妙な物語と…