そもそも、私、ロビン・フッドって何した人か知らないし…(汗)。主演のタロン・エガートンの弓が凄いって言うから観たいなと思っただけで…(汗)。
子供の頭に乗せたリンゴを弓で射抜いたのはウイリアム・テルだっけ?その人と完全に一緒になってる…
こんなだから、歴史的なことはまるで分からないので、逆に楽しめたというか…
確かに弓矢の扱いは凄い。ホントによく訓練したなと感心する。それが映画に上手く活かされていて、ピュッ、ピュッと飛ぶ弓のスピードが映画にもテンポを与えると思った。
ロビンはある荘園の領主で何1つ不自由なく成長した。しかし、荘園を束ねる州長官に疎まれ、十字軍遠征に徴兵されてしまう。ロビンの厩舎に馬を盗みにきたマリアンに一目惚れして幸せな日々を送っていた彼にはショック。
しかし、生きて帰る、待っているという約束を心の糧にロビンは戦場で闘う。
敵の命を助けたことが仇になり、国に返されることになったロビンは自分の荘園が州長官に戦争税として没収され、ロビンは戦死したと聞かされたマリアンには新しい恋人がいたことを知る。
州長官から自分の荘園を取り戻したくてもマリアンを思うと力が出ない。そこに戦場で助けた敵だった男が現れる。彼に弓矢の教示を受け、彼の息子が残した頭巾を被り、義賊となるロビン。
不正を働く金持ちから金を奪う義賊…貧しい人に盗んだ金銀を与えても所詮は盗賊だ。ロビンは正体を明かし、州長官と戦うことを呼びかける。
その戦い…金と武力で警戒を強める州長官と知恵と協力で立ち向かう民衆。なかなかに高揚感があり、いわゆるエンターテインメントとして十分楽しめると思う。
なかでも、州長官の金庫へ盗みに入った場面はロビンの弓術と助けにきた弓の先生(名前、忘れた…汗)の馬車チェイスが面白いこと、面白いこと。
狭い戸板の通路を馬で駆け抜けるロビンを追いかける敵のリーダー…この場面を観て、なぜか「ホビット」を思い出した。ホビットたちが回廊を駆け回るシーンと重なった。ただ走るだけじゃなく、騎乗してのことなのでスタントも凄い。
もちろん、動きをカバーするためのGCなども凄いのだろうが、スタントがちゃんとしてこその場面だと思う。馬車の走るシーンも昔の西部劇を思い起こさせる。馬って凄いな。昔から、彼らは映画と共に存在してきたんだなと…もちろん、映画が無くても存在してるけどね(汗)。
現代劇ばかりでなく、たまにはこうした昔の設定の映画で当時を偲ぶのも良いな。
最後に、ロビンの恋人マリアンってロビンが死んだと知らされたら、すぐに恋人ができ、ロビンが帰還したら、急にロビンに近づくって、どうなの?この女がロビンの急所になるんじゃ、ちょっと残念だわ…と思った。
続編でも期待するかのようなラストだったけど、「ビギニング」のエピソードで完結しておいた方が良いように思った。これはこれで面白いから。
原題がそのものズバリ「ロビン・フッド」だったが、邦題の方が内容にあってると思った。配給さん、素晴らしいお仕事ぶり。日本では「ロビン・フッド」のタイトルでは私のような人間に全く通じないと思うから。まぁ、それで通じるイギリスって凄いわね。日本で言えば、例えば「信長」ってタイトルで映画を作ったら、十分成立すると思うので、ロビン・フッドは彼の地ではそれほどの人ということね。