昨年かな、映画が話題になり、その原作が取り沙汰されて…
本日、読了は…
以下、感想…
何を言ったらいいんだろう。何を感じたら…
ヤン・ソギルという名前は知ってたけど、こういう作品を書く人なんだ…
国特有の文化で、観光地として発展し、その地位を確固たるものとしてる「タイ」
けれど、旅行者達の目に触れないところには恐ろしい現実が、まるで底の無い落とし穴のようにひろがってる。
ヤン・ソギル氏は独自に取材を重ねた上で、いくつものエピソードを1つの物語に集約させてるんだろうけど…
読めば、読むほど心が重くなる。
こんな原作を映画化しようと思った人達が凄い…
映画はまだ観てないけど、原作を読んだかぎりでは、観たいとは思わない。
どこか、よその遠い国って感じで観ることはできないよ、きっと。
昔、野沢尚氏がまだ脚本家として活躍してた頃、安田成美主演のドラマで、臓器移植のための幼児誘拐事件の話がなかったっけ?
自分は世の中のこと、何にも知らないんだ…って、凄く悲しい気持ちになったのを覚えてる。
ヤン・ソギル氏の淡々とした文章が、かえってズシリとくる。
一気に読むには気持ち的にヘビーで、だからと言って、途中で投げ出すことのできない小説だった。