今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

別離


文化村ル・シネマでの単館上映「別離」…


自国の映画賞はもとより、アカデミー賞を始めとする様々な映画賞で「外国語映画賞」を総なめした作品。


当然、注目度は高く、久しぶりの満席の劇場鑑賞になりました!!


相変わらず、ル・シネマの座席は狭く、スクリーンの大きさと劇場の広さのバランスが、なんか違うような気がするよ…


まぁ、とりあえず、映画ですが…


ヘビーな内容で、後味も悪く、つい先週観た「ルート・アイリッシュ」と似たような感覚…


でも、内容は全く違う世界!!


2つの家族の物語…


痴呆のある父親の介護を頼んだ家族と介護を頼まれた家族…


介護を担当する女性が、痴呆の父親をベッドに拘束して、家を空けたために、父親は死ぬほどのダメージを受けた。


そのことを巡った小競り合いが元で、流産したという介護の女性。


この「流産」を告訴された側の家族…


告訴した側の家族…


2つの家族はそれぞれに問題を抱えており、それらの問題と並行して、裁判前の申し立ての様子が物語の中心となる。


特に派手な展開もないし、大がかりな仕掛けもない。


じっくりと淡々と描かれる家族の物語には、好みがわかれる気がする。


私にはちょっと苦手な系統の映画です。


特に介護者である流産した女性は、信心深く、最終的に法廷で「コーランに誓って証言」出来るかどうか…という部分で、それまで隠していた事実を表に出す。


「罰」が娘の身に及ぶことをなにより恐れている彼女の姿勢で、せっかく丸く収めた状況が一切ムダになる。


それでも、彼女は信仰による教えを貫こうとする…


この辺りの終結に向けた結び方が、私には分からない…っていうか、理解出来ない!!


こんな「結び」なら、他のどんな状況下のお話でも、一様な結末を描ける…


確かに映画として、考えさせられるものはあるし、ギリギリの家族の物語は、十分に成り立っていると思うけど、好きになれない結末への端緒がどうにも納得出来ない…