今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ヒッチコック


誰もが認めるサスペンスの巨匠であり、ブロンド偏執狂的なキャスティングで知られるヒッチコック


彼が、成功をおさめた後、様々な障害をクリアして、1番のヒット作となった「サイコ」を公開するまでのエピソードを映画化…


これまで様々に見聞きしたヒッチコックという人の「姿」を実際にスクリーンで観たワケだが、これまでの「噂」からするとずいぶんとソフトな人物のように思う。


エンド・ロールに「special thanks」として、奥様の名前があったから、奥様の「検閲」も通った作品だったので、ソフトだったのか、世間の醜聞はあくまでも噂話だったのか…


映画の始まりとラストの結びは、ヒッチコック劇場のような流れで、ヒッチコック好きには楽しかったのではないかしら…


ヒッチコックを演じたアンソニー・ホプキンス氏が、なんともユニークな体型を真似ていて…


あの有名な「サイコ」が出来るまでには、当時の映画界のタブーにも挑戦した…という歴史を紐解く系の映画。


今では当たり前の描写も当時では、過激と判断されて、作り手の意図するままにはスクリーンにかけられないことが多々あったのだ。


特に、ヒッチコックのようなサスペンス作品を手がける場合、障害は多かったのだろうなぁ…


ただ、ホントに今に言われる様々なヒッチコックの素顔は、この映画ではずいぶんとソフトに仕上げられていて、ヒッチコックが主役というより、支え続けた「妻」の苦労を正当化するような印象を受けた。


「正当化」って言葉をこういう場面で使うと、奥さんに対して「悪意」を感じるでしょ?


そう、奥さんに対して、あまり良い印象を持てない映画だった…(・_・;)


「サイコ」の名場面、シャワー・カーテンの向こうで行われる殺戮シーン…


あれは、演出効果を狙ってのものと思いこんでたけど、それだけじゃなくて、当時の映倫の基準をクリアしつつ、その上で、ヒッチコックの「腕」を見せつけたシーンだったのね。


映画館から帰宅直後、日本未公開の「ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女」を見た。


お話の視点は、映画「ヒッチコック」とよく似ている。


こちらは、あの有名な「鳥」が世に出るまでのヒッチコックと主演女優(ティッピだったっけ?)にまつわるお話。


こっちの方が、噂に聞くヒッチコックの姿を思い起こさせる十分な「怖さ」があった。


確かに日本未公開は頷けるようなお粗末なとこもあったけど、あの「怖さ」は引いた(^-^;)


いろいろなエピソードが残る有名監督だから、今後も何らかの形で、映像になることはあるだろう。


どんな姿が映し出されるのか、楽しみだ。