ちょっと最近のプチ韓流おばさんと化した私には魅力の街、新大久保!!
その一角にジャニーズお抱えの劇場、東京グローブ座はある。
円形に囲む座席の配置は、ゆったりと観劇できるし、規模もそんなに大きくないから、私的には好きな劇場だ。
そこで、音楽朗読劇と銘打って上演された本作。
原作は森浩美…
東日本大震災のあの日、帰らぬ人となった両親と1人生き残った娘の10年後の物語。
現在、震災から、丸2年が過ぎ、一向に進まない復興と加速さえしてるように思われる震災の記憶の風化…
10年後なんて、想像すら出来ないけれど、実際にあの震災で心に傷を残した人々は、きっとお芝居の中の少女のように時間が止まったままなのかもしれない…
社会的に立場があったり、仕事などを通して他者とのかかわりが避けられない大人たちは、少しずつ時間を動かし始めるのだろうが、当時小さかった子供たちは大人に守られながら、時間を止めたままで成長していく可能性だっておおいにあるな…
そんな風に思った。
私たち、大人は確実にやってくるその時をどうやって迎えるのか、そう問いかけられてる気がした。
おつき合いで鑑賞したので、あまり期待はしていなかったが、予想以上に良かった。
震災で亡くなった両親が、娘の成長を見守るという芝居の構成も良かったのだろう。
ただ、1つ難点は…
芝居の冒頭、客席通路に役者が並び、体を揺らしながら、震災当時の「揺れ」を再現してみせた。
場内には、地震を伝える実況放送が流れ、また、当時様々な劇場で聞いた「地震の場合は係員の誘導に従い…」と言う館内放送も…
舞台上にはスクリーンのように映し出す映像で、津波や津波後の街の様子が…
正直、私は東京の人間だから、震災当時の激しい揺れは知らない。でも、東京だって、かなりの地震にみまわれた。
震災後、1年近く経っても「地震酔い」の症状は続き、大いに悩まされ、友人からは受診を勧められもした。
相変わらず、ちょっとした揺れでも「地震酔い」はぶり返し、体調をくずす。
演出家の意図ある構成なんだろうが、私はしばらく気分が悪くなり、観劇どころではなかった。
それに対する劇場側の注意喚起は一切無く、とんでもない物に付き合ってしまったと後悔した。
多分、こうした注意喚起がなされ、事前にわかっていたら 私は観に行かなかった。
そのことがとても残念。
芝居を作る側にももう少し「誠意」があっても良いと思った。