今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ザ・ゲスト


試写会にて鑑賞。
ホラーと言われ、なんだか怪しい動物マスクがポスターとなった「サプライズ」の監督×脚本家による新作だ。


ホラー嫌いだから、どうしようかと思ったけど、試写だし、怖くてダメなら途中退場させてもらおうと思って、ドキドキで観始めたら、あっという間に引き込まれてた「サプライズ」


さて、今作はいかに‼


とある街の一軒家。と言っても、市街地からは車で行く田園風景の中の家。


その家には哀しみが満ちている。アメリカ軍に属し、イラクに派遣された長男を戦闘で失ったばかり。


父親は年下の高学歴の上司との軋轢に悩み、母親は長男を失った痛みから立ち直れず、長女は諍いの多い両親の間で父親に反対されている男となかなか別れられない。さらに次男はおとなしい性格が災いし、クラスのいじめの標的に。


こんな悩める家族のもとにある男が訪ねてくる。


彼は死んだ長男の親友で、彼が亡くなる時もそばにいたと言う。確かに長男が写した同僚との記念撮影に男も笑顔で写っている。


男は亡くなった親友のメッセージを届けるため、除隊になってすぐに駆けつけたと言う。


こうして、家族の悲しい痛みの中に上手く入り込んだ男は、亡くなった長男の部屋にしばらく滞在することに。


まず、最初のシーン。


何もない田園風景の中の一本道を大きなリュックを背負った男が走ってくる。そう、彼は走って親友の家までやって来たのだ。


えっ、マジ?こいつ、何者?


まず、最初にそう思ったんだけど、その印象はとっても大事だし、それこそ彼の正体に近づくための第一歩だった。


全く、バックボーンの分からない「ゲスト」は家族の中に普通に居場所を見つけ、さらには家族が置かれていた「苦境」の元を断ち切っていく…


「サプライズ」ほどのお話の展開の妙もなく、ただひたすら「この男、何者?」っていう得体の知れない不安を煽るような流れ。


でも、気になるのは、その得体の知れない男が異様にイケメンなこと。


家族のまわりで殺人事件が起きた時、とても彼が犯人だとは思えない。それほど、ムダにイケメンなのだ(汗)映画で見かける恐ろしく屈強な体でもなく、むしろ、瞬発力だけで動いてるかのような…


つまり、顔の雰囲気からしたら、あきらかにイメージが違う。


そこが大事‼


しかも直接手を下す場面は結構後半まで出てこないので、彼の作るイメージに惑わされてたのかも(汗)


男のバックボーンについてはほとんど語られない。


彼を追跡してきた軍警察の男によれば、彼は兵士として優秀だったために選ばれ、ある実験の被験者となったのだ。そして、その収監先で彼は火事を起こし、多くの病院関係者を死に追いやり、脱走した。


彼は、自分が攻撃されたら、自分自身を守るようプログラムされている。最初は、親友の家族を守ることを優先していたが、しまいに自らの立場が危うくなると突然、豹変する。


それまで守っていた者にも刃を向ける。


こうして、男は最後の戦いにでる。その戦闘力の高さは尋常じゃない(^_^;)


荒唐無稽なストーリーだけど、それは前作も同じ。そして、主人公が戦うための特殊能力をなんとも怪しい場所で身に付けるのも全く同じ。


奇想天外なストーリーを上手くお話に乗せてしまうところはスゴイな。


男のバックボーンが物語上でしっかりと説明されないから、いろいろと納得しないと映画を観られない人には説明不足に映るみたい。


私は、このくらいの想像力を働かせながら、観る映画の方が好きだ。


闘うためにプログラムされた男の悲哀…ボーンに通じる。巨神兵の悲哀!?