今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

韓国ドラマ「月桂樹洋服店の紳士たち〜恋はオーダーメイド!〜」


WOWOWにて放送。全54話の長丁場です。


韓国ホームドラマは1話が60分強あるにもかかわらず、こんなに長い。それこそ、家族全員の日常を全て追いかける展開で進んでいく。だから、50話を越えるわけで、正直、全然共感できない登場人物の話が長々続くとほとんど見る気も失せるわけで、これをちゃんと見続ける韓国の人たちのスタンスが理解できない(汗)というか、凄い。


だから、ミニ・シリーズと区分けされる20話前後で完結のドラマはなんとか見続けることができるのだけど、通常版はよほど好きな俳優が出てるとか、面白いとか、気になるストーリーじゃないと見続けられない。そんな中で久しぶりに、休み休みではあるけれど、ストーリーが分かる程度にちゃんと見たのが本作。


様々不幸な生い立ちの女の子が、逃げるようにしてソウルの街に移り住み、そこで、実の親のように接してくれた洋服店の主人の元で裁断師を目指すお話がベース。


彼女には結婚まで決めた婚約者がいるのだけど、実はこれがほとんど脅されてその道を選ぶしかなかったという不幸。でも、その婚約者が詐欺を働き、収監されたことで、自分の人生をもう1度見直すチャンスが訪れる。


婚約者から夢や希望を全て奪われ、自暴自棄になっていた彼女は、暖かく迎えてくれた人々のおかけで、本当にやりたかった事を見つけ、本当に好きな人と共に歩むことを決断する。


そこまで、全てを背負うことないのにと思うほど、主人公は心優しい。その姿に最初は反発していた洋服店の息子だけど、冷たく仕事人間だったそれまでの日々をまるで忘れたように心を開いていく。


父親の営む小さな洋服店。腕が良く、多くの弟子が各地にいる父親。しかし、長男は別な道で成功を得ようとする。今では財閥として、誰もが知るアパレル・メーカーに入社する。


元々の才覚を発揮して、若くして要職に就く長男は、創業者である前会長の意を受けて、後継者となるために会長の長女と結婚するのだ。しかし、互いに愛の無い結婚で、長女にしてみれば、街のしがない洋服店の息子やその家族など取るに足らない存在だ。


仕事の出来る義兄に嫉妬した嫁の弟の企みで職を追われた長男は、それまで、家族をバカにしてきた冷たい嫁とも離婚し、洋服店に戻る。


そこからが長男のホントの成長物語。1つ1つ丁寧な仕事で、大手では見過ごしがちな小さなところにまで心を配る本当の洋服作りを学んでいく。その過程で、いつも明るく一生懸命な主人公に惹かれていくのだ。


様々な難関もある中で、主人公と長男の恋愛エピソードも平行して描かれていく。


何事にも真剣な心優しき主人公とそれをどこまでも信じて寄り添う長男。途中、失ったものの大きさに気づいた元嫁が2人の邪魔をするのが、もう哀れ。金を持ってるからって、人の心までどうこうできるワケじゃないよと言ったところで、こんな女には分からない。だって、元夫がなぜ主人公の前で自然な笑顔を見せるようになったか、まるで理解していない。


だから、この身勝手な元嫁が出てくると不愉快で仕方なかったので、そこは見ないようにしたりね(^_^;)


主人公の幼なじみの青年が元嫁の妹と付き合うようになるんだけど、いろんな恨み辛みが行き交うドラマの中で、2人のやりとりはなんとほのぼのと微笑ましかったことか。


結局、財閥の家に後妻で入ったお母さんは、元々、街の洋服店で働いており、広い屋敷にいるより、商店街にいる方がイキイキとしていた。そんな母親に育てられた兄と妹は、財閥のトップにいて、一瞬自分を見失ったかもしれないけど、ちゃんと地に足つけて生きる方法を選び取る。


ところが、前妻の娘で、病気で亡くなった実母の場所を後妻に奪い取られたという思いに囚われていた長女は、結局全てを失い、人間として最低な道を進む。


このまま、この人だけ不幸になれば良いのにって思ったくらいだけど、韓国ホームドラマって、どんなに醜い争いをしても、最低の人間でも、最後は家族の愛で、心を入れ替えて、ハッピーエンドになる。


今回もその通りで、ストーリー全編、飽きもせず見続けることが出来たのに、最後のこの長女の扱いで、ハッピーエンドに持って行ったのがどうもしっくりこなかった。


あんなに醜い所行をする人間がそんなに簡単に変われないと思うのだ。へ〜んなの(´д`)という感触が残る。途中どんなに面白くても、醜い心の持ち主が簡単に改心するお決まりのラストに持っていかれるとそれまでの楽しかった思いまで打ち砕かれる(大げさ💦)


誰もが本当は優しい心を持ってると信じてる。そんなお決まりのパターン。酷い仕打ちを受けたら、普通はどんなに相手が改心しても少しはしこりが残る。酷い仕打ちを受けた側が広い心で受け止めてるってことなのかしら。


お国柄なのかしら。でもねぇ、報道される一連の反日姿勢を見ると「広い心」って感じじゃないけどなぁ。。。せめてドラマだけでも「広い心」を持つ人たちの物語って感じなのかなぁ。


ベースはとても良いお話だっただけにちょっと残念。


さらに、ラスト数話はそれまでの事細かいストーリー展開からすると、かなり駆け足だった気がする。視聴率は良かったらしいし、打ち切りのための駆け足ではないと思うのだけど。。。


まぁ、いろんな意味で定番、テッパンの韓国ホームドラマでした(^_^;)