今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

カリギュラ

タイトル作品は、2007年秋に小栗旬主演で上演された。


当時、チケット争奪戦に敗れ、せめて原作戯曲を読もうかと調べてみたら…


すでに絶版!!


え〜〜ッ(--;)


あり得ないでしょ?
アルベール・カミュだよ!!
「異邦人」だよ!!


シェイクスピアの新訳・松岡本とは違うんだから…って調べてみたら、本当に絶版。。。


神田の古本街まで足を伸ばしても、文庫の古本ってよほどじゃないと目当ては見つからない。。。


仕方ないから、絶版に強い味方の図書館で探す!!


尋常じゃない予約数(^^;)))


みんな、手に入らないから、図書館が最後の手段ってこと?


何ヵ月も待って、ちょうど上演時期に絶版本の新潮文庫版を読む。


かつて、文庫本って、行間ビッチリで字がいっぱいだったでしょ?まさしく、そんな本が届き、読みにくいったら、ありゃしない(>_<)


字面の読みにくさに加えて、内容の分かりにくさ。。。


読み終わっても、カミュが何を訴えてるのか、さっぱり(((^^;)


で、舞台「カリギュラ」の上演用台本は岩切正一郎氏による新訳だと…


舞台公演終了後、出版された本を早速買い求めたんだけど、なんだかすぐに読む気にならなくて…


絶版本の意味不明さとDVDで観た小栗旬主演舞台の分かりにくさがねぇ…躊躇の原因(^-^;


でも、岩切氏の新訳はよく分かった(^-^)v


読み始めたら、あっという間でしたっ!!


ってことで、以下感想。。。

カリギュラアルベール・カミュ/岩切正一郎訳(ハヤカワ演劇文庫)















愛する人を亡くし、不条理の世界へひた走るローマ皇帝カリギュラのお話。


論理的だとか不条理だとか、普段耳に馴染まない難しい言葉の羅列。


お芝居のDVDを観ただけでは、スッキリしなかった部分が戯曲を読んで、なるほどって思った。


カリギュラの思考の追体験って感じかな。。。


表面的には狂気に走った皇帝のようにローマの社会には映っているのだろうけと、実はカリギュラ自身はその狂気を演じている。


突拍子もない暴政をしき、そんなことをすれば、自身がどんな状況になるのか十分理解した上で、彼自身の思う真実を追い求めていく。


孤独なんだろうね。。。


シェイクスピア戯曲のように手放しで、面白かったなんて言える作品ではないよね。


テーマは重いし、暗いし…でも、読んで良かった(^-^)v


本編終了後の訳注に面白い記述が…


カリギュラの身体的特徴まで、カミュが指示している。


「背は高く、痩せていて、少し猫背ぎみ。顔立ちは子どもっぽい」


猫背の部分は演じれば済むことだけど、それ以外は小栗旬にバッチリ。


改めて、蜷川さんの凄さが分かる。その役の特徴まで、理解した上で、配役してるんだ…


ホリプロの役者の売り出しに熱心なだけじゃないんだね。。。


ホリプロじゃないのに蜷川さんの目に止まった小栗旬って、もしかして凄い!?