「カウントダウン」って、何だ?
「カウントダウン」と言って、1番身近なのは年明け…だよね?
佐々木氏の画く「カウントダウン」は何だ?
以下、感想。。。
佐々木譲氏と言ったら、私にとっては「警察小説」
多分、私自身が佐々木譲氏の著作で読んだ物の中に「警察小説」以外無かったから…(^^;
佐々木さんの長い作家生活の中で、「警察小説」は、一部分でしかないのかな…
以前の作品には、タイトル見ただけで、「警察小説」じゃないなって分かる作品がたくさんある。。。!!
で、今回の「カウントダウン」は。。。
私が初めて読む「警察小説」以外の作品!!
小説の舞台は、佐々木作品ならではの「北海道」!!
実際に財政破綻して、財政再建団体入りした夕張市をモデルに、その隣町である「幌岡市」が舞台!!
夕張市同様、財政破綻の危機に晒され、地元育ちの青年が回りに支えられ、5期に渡る長い長い前市長政権に真っ正面から戦いを挑むお話。。。
でも、佐々木さんの作品だから、どっかで「事件」が起きるんじゃないかっと読み進めたけど。。。
なかなか、その時が来ない!?
で、とうとう最後まで、その時は来ず、大方の予想を覆し、主人公の青年・森下直樹は財政再建団体になってしまった幌岡市の新市長に当選する。。。
最初は、なんだか選挙物のわりに、スピード感が無くて…(..)
全体の2/3辺りで、森下君が、市長選立候補に向け、自分の意思で動き、自分の言葉で語り始めた辺りから、グ〜ンッと面白くなってくる(^^)v
選挙コンサルタントの多津美の存在は、確かに不思議…
数々の選挙戦で実績を重ねた多津美がノーギャラで、しかも自ら売り込んで、森下君を口説き落とす…
多津美の真の「思い」は最後の最後で明かされる…なかなか、良いお話じゃないの(^^)
更に多津美と森下君は数年後には新たな戦いに挑め覚悟を決めて、それぞれの道へ進む…
良いじゃない、良いじゃない(^^)v
私は選挙物っていうと、真保裕一氏の「ダイスをころがせ!」くらいしか読んだことないんだけど…(^^;
「ダイス…」もスピード感があって、面白かった!!
まぁ、「ダイス…」はバックボーンもずいぶん緩い学生さんの「ノリ」だったから、余計に面白かったなぁ。。。
で、タイトルの「カウントダウン」なんだけど…
幌岡の新しい時代の幕開けまでの「カウントダウン」ってことで良いのかな?
やっぱり、佐々木譲さん、面白いです\(^^)/
ただ、1つだけ。。。
で、小説の中にも夕張市は財政再建団体入りしたという形で語られる…
幌岡市は夕張市のコピーだと…
でもさぁ、そんなにすごい人口密集都市じゃないのに、隣町同士で、同じようななんちゃってリゾートを作ったり、挙げ句映画祭まで開催するかねぇ〜(--;)
ちょっと、そこが、納得いかないかなぁ〜(^^;