私にとっては、久々の宮部みゆき作品!!
以下、感想…
単なるサスペンスではない宮部みゆきさんの小説。
サイキックが出てきたり、超常現象が起きたり、それが物語の根幹だったり…
どうも、そういう系統は苦手で…
だから、私はあんまり宮部作品を読まない。
江戸の町人物も何冊か読んだけど、時代劇にもかかわらず、幽霊系の不思議噺が…
「火車」「理由」「模倣犯」辺りはサスペンスとして、普通に読めたので、今でもストーリーを覚えているけれど、他は全く…(((^^;)
そんなワケで、この「小暮写真館」も蓋を開けなきゃわからんぞって思ってた。
確かに物語には、不思議な場面があり、「幽霊」さんにご登場いただかないと説明つかない局面も多々あるが…
その「幽霊」に象徴される人々の「思い」が中心のお話。
主人公は、普通の高校生男子。今や、この「普通」がどれほど貴重でありがたいことか…
普通に愛されて、普通に育ってきた彼は、ちょっと普通じゃない人々に囲まれながら、青春の日々を満喫している。
彼の両親が都心のマンションを手放して、新たに住まいとしたのは、寂れた商店街の一角に「古家付き」で売りに出された土地に残された、まさにその「古家」!!
住む人もいなくなったその「古家」は写真館で、風変わりな両親は写真館の看板をそのままに多少の手を入れただけで、終の住みかとした。
この家に越してからの主人公と家族の物語。
とにかく分厚い本で、読み出はある。
でも、とっても爽やかに前向きに読み終わる(((^^;)
少年の日常をおったドタバタ劇のようではあるが、実に心暖まる作品。
お時間のある方は、是非じっくりと!!