5月で閉館する銀座テアトルシネマのラスト上映作品は、社会派と言われるケン・ローチ監督の「天使の分け前」
原題の「angel share」とは、ウイスキーを樽で醸造する時、自然に蒸発してウイスキーが減ってくる部分…蒸発しちゃったものを指す。
年2%ほどだというその「angel share」…
なぜ、こんなタイトルなのか…
様々なとこで聞いた映画評によると、ケン・ローチ監督にしては笑える希望に溢れた映画だって。
そこが、天使の分け前とどう繋がっていくのか…
物語の主人公は、厳しい家庭環境にあって、その日暮らしの若者。
父親同士が仲が悪いことから、その息子である主人公達も憎み合う。何かあれば、衝突を繰り返し、それぞれが仲間と自堕落な生活を送っている。
確かに彼ら自身にも問題はあるのだけど、彼らを取り巻く社会が病んでいる。
仕事が無く、偏見に満ち、一度道を踏み外すとなかなか這い上がることが出来ない。
そんな閉塞感漂う毎日にあって、主人公は収監を免除される代わりに奉仕活動を義務づけられる。
その指導員・ハリーにウイスキーのテイスティングを学び、自分にその才能があることに気づく。
そして、彼は愛する恋人と生まれてきたばかりの息子を守るために人生の賭に出る。
彼は、仲間とその賭に勝ち、天使の分け前を手にして、新しい生活に踏み出す。
まぁ、アメリカじゃないけど、アメリカン・ドリーム的な…(^-^;
一応、爽やかに締めをつけて、終わってるけど、あれで良いの?
犯罪から自分を律するために奉仕活動したのに…
私は納得いかないんだよね…彼らの取った手段が…それを胸を張って、示しちゃう彼らが…
私が見た多くの映画評には、私と同じ感想は全く無かった。私は、あぁ、この国も混迷してるんだなぁと思って…後味は今一つだったのね(・_・;)