今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

終戦のエンペラー


8月…終戦記念日を前にして、公開された「終戦のエンペラー」…


アメリカ人による天皇陛下の戦争責任を語る物語。


既に公開から2週間が過ぎているが、100席ちょっとの劇場は、ほぼ満席の入り。


日本人にとっては、マッカーサー昭和天皇との面会はどんな形で描かれるにせよ、興味を引くのだろう。


しかし、残念ながら、場内はお年寄りばかり。映画館に滅多に来ない人も多かったようだ。相方と私は、場内で、若い方から2番目くらいだった(゜o゜;)


映画と言うか、作品としてどうかより、日本人なら観とけって感じの映画で、若い人がほとんど見当たらないのには少々がっかりもした(・_・;)


終戦後、マッカーサーの日本到着から始まるこの映画は、マッカーサー昭和天皇との歴史的な面会が実現するまでをマッカーサーの部下の視点で描いていく。


物語の語り部である軍人は、学生時代に出会った日本人女性を愛し、戦争が2人の仲を引き裂いた後も彼女への思いを断ち切ることが出来ずにいた。


しかし、この度の任務である天皇の戦争責任を連合国軍として裁くための重要な証拠探しをするにあたり、彼の日本人への「理解」は大いに役立つことになる。


彼のような調査官がいたことで、天皇陛下の処遇が大きく変わった。


この映画は、当時のアメリカ軍の中で、天皇陛下の処遇を巡って行われた取り調べについて描かれている場面が多く、それについてのアメリカ軍の方針、アメリカ人の印象などを知ることになる。


映画はフィクションだから、どこまでが真実なのか分からないけど、でも、観てる側はある意味襟を正して観るべき映画だと思う。


全編通して、過度な演出を控えた印象で、じっくりとあの時代のせめぎ合いを観ることが出来る。


当時の真実を知る人がこの映画を観て、なんと言うだろう。


その頃のことを語れる人が少なくなる一方の現在。様々なエピソードをなんらかの形にして後世に残さなければ…当時の「痛み」をきちんと伝え残さなければ、人間はまた繰り返す。


そう戒めながら、それぞれの立場で語れることをしっかりと自覚しておかなければ…


アメリカ資本で描かれた天皇陛下


この映画は、自分の勉強のためにも観ておくべきだと思った。


激しい戦闘を描く第二次大戦映画が多い中で、終戦後に物語が始まる映画は珍しい。日本の処遇が他国とは違う道を辿ったからこそ、視点が戦後に向かうのだと思う。