今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義


原題「寒戦」…


香港、本国中国で数多くの賞を得たという大ヒット映画だそうだ。


新聞などの映画評では「インファナル・アフェア」に並ぶ傑作と評されていたけど、まぁ、それは無理でしょ!!


あれを超える映画がそうそう登場するわけないもん(^-^;)


おっちゃんとおばちゃんばかりの不思議な客層の劇場で…



ホント、いつも思うけど、大作映画じゃないと客層は映画の内容を色濃く映し出すよねぇ…中国映画は、まさしくごった煮のような(^-^;


超近代的な街・香港…上空から舐めるようにカメラが降りてくる。


高層ビルの屋上付近をなめ回すように移動していくカメラの目。


最期にビルのヘリに沿いながら、カメラを真下に向けて、人々が行き交う街の雑踏を見下ろす。


ちょっと、このシーンは美しい俯瞰映像ながら、真下を向いた時に「うっ!!」とくる。


空きっ腹か食事直後は止めた方が良いなぁ…気持ち悪くなるから(^-^;)


ずいぶんと洗練された入りをする映画だなぁ…と思ったのもつかの間、突然の爆破事件と暴走車による交通事故がほぼ同時に起きる。


その直後、香港警察本部では夜間にもかかわらず、幹部達が緊急召集される。さっきの2つの事件との関連なんだろうなぁとは思うものの、それぞれ独立した事件としてしか描かれてないから、なんでこんなに大事になってるのか、観てる方には全くわからない。


そして、海外出張中の局長に代わり、年長の副局長が捜査の指示を出し始める。


お前は何の権限があって、そんなに偉そうにやってんだ…とは思うが、ここでも特に説明がない!!


そして…


臨時に局長に就任して、指揮権を得た年長の副局長が立ち上がり、それまでの私の疑問に全て 答えてくれる。


好みの問題なんだけど、私はこういう手法の話の展開が好きなので、もう、ここですっかりお話の世界に入り込んじゃいました(^_^)v


緊急召集の理由は、交通事故の現場に急行した事故処理班が警察車両ごと拉致され、車両と警官達の値段はいくらだという犯人からの電話が入ったからだ。


警察の威信に懸けて、犯人にいいようにはさせない。その決意の現れ?


それにしても、臨時の指揮権を得た副局長が入れ込みすぎだ。


これにもまたちゃんと理由があって、拉致された警官の1人は、自分の息子だったのだ。


こうした、状況を冷静に分析したもう1人の副局長は香港警察始まって以来の出世頭で、現場経験の無い事務方上がりの男。


彼は入れ込みすぎた先輩副局長を更迭し、捜査陣を建て直し、犯人の矢面に立つのだが…


いろんな伏線が張ってあって、話の急展開にアタフタしてると見逃してしまう。


さらに途中からは警察とは組織を異にする調査機関が入り込んでくるから、一層複雑になる。


それでも、ものすごい力業で1つに収束させ、事件の結末へと導いていく。


もう、こういうお話が好きな人にはたまらない感覚。でも、そうでもない人には、全く入り込めないだろうなぁ(^-^;


独立した調査機関の若者は、きっと彼は警察に転職するだろうと未来を予感させ、事件の黒幕であった男の父親は自らの職を辞して警察官として誇りをもったまま去る。


時代の変わり目をきっちり描くなんて、いちいち結末を語っちゃう邦画みたいじゃないかって思ってたら…


なるほどね、そう来たかって感じで、ラストを締める。


これは、続編観たいよなぁ〜と思わせる作り。