今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

セイフ・ヘイヴン


最近、特に事前情報を入れずに観る映画が多いなか、この映画もまさしく!!


久しぶりにヒューマントラスト有楽町で映画を観た時にたまたまスクリーンにかかった予告編がこの映画だった。


きみに読む物語」だっけ?その原作者のお話とかなんとか…


苦手なラブストーリー…


でも、なんでか観たいと思ったので、観に行ったわけだ!!


そして、観に行って、正解だった。


お話は、切羽詰まった様子の若い女性の逃亡劇から始まる。


彼女は、警察に追われてる。


なんとか、警察の目をかいくぐって、長距離バスに乗り、経由地の町で途中下車をする。


何も無い田舎の町。長距離バスの経由地として、ただ人が通過していくだけの町。そんな町に女は惹かれて、とどまることにする。町の人々がたくさん集まる海辺のレストランで暖かく迎えられた彼女は、少しずつ落ち着いた日常を取り戻していく。


この過程が、ゆっくりと丹念に描かれていく。少し、間延び気味に…


でも、このゆったりとした時間の流れは、彼女の心を癒やしていく流れに呼応してるんだろう。


彼女を追い詰める警察の手が海辺の田舎町にも届きそうになる頃には、彼女は新しい人生を踏み出そうとしていた。


そのタイミングで、彼女は自分に迫る魔の手に気づき、町を去ろうとするけれど…


本当に愛する人、本当に愛してくれる人に出会い、彼女は強くなる。


彼女の起こした事件の顛末や彼女を追う警官の素性が描き出された時、観てる私達はその先にある物語に気づく。彼女が町で初めて友達になった女性が誰であるのか…


彼女は遠くから、新しい旅立ちに祝福を告げる。


ザック・エフロンの「君がくれた未来」を思い出した。


暖かな眼差しに見守られて、新しい道に船出する主人公…


そこは一番安全な場所…


そこは一番正直になれる場所…


そこは一番暖かい場所…


心の癒しを得るまでのゆったりとした時間とサスペンス風な色合いを出して、主人公の苦悩を描く時間のテンポが映画の中でガラリと変わっていくので、一本調子ではないし、全てが終わった時の幸せな気分はとても良かった。