イチローのおかけで大リーグ中継を見る機会も増えた日本人。
この映画を観て、改めて、野茂英雄の偉大さを痛感する。
背番号「42」 …
確かに選手達みんながその背番号を付けている試合を見たことがある。ある選手を称えるためだと聞いた。
そのある選手が、この映画の主人公。
ベイブルースでもなく、ジョー・ディマジオでもなく、ハンク・アーロンでもなく…
映画「ヘルプ」で観た黒人差別社会。
世間もそうなら、野球界だって、もちろんそうだ。
白人と別に組織された黒人リーグ。
様々なスポーツ・シーンでその身体能力の高さを見せつけるアフリカ系アメリカ人。
当時の黒人リーグは才能の宝庫ではなかったか…見る人が見れば、なんとも惜しい人材がたくさんいたハズだ。
学生時代に素晴らしい黒人野球選手と出会ったドジャースのオーナーは、世間の差別の中で、彼の力になれず、そのことをいつまでも引きずっていた…
自分が世間に対して、大きな力を得た時、彼は学生時代にやり残したことに着手する。
このハリソンが素晴らしい!!
日本では現在「半沢」の影響で、「やられたら、やり返す」のがブームらしいが、彼は、自分を信じて入団してきた黒人青年に「やり返さない勇気」を教えていく。
ひたすら、野球に打ち込み、やり返さない勇気を持って、前に進む。
これがどんなに大変なことでどんなに苦しいことか、映画の中では端的に描かれていくけれど、現実はおそらく、この何倍、何十倍もツラく厳しい日々だったことだろう。
映画の中では実際のエピソードを全て描くことは出来ないから、印象的な物だけを取り上げて語ったのであろうが、それでも十分だ。
最初の1人の大変さを十分に語っている。そして、その偉大な1人は次々と新たな1人を生み出すことを…
こんなに正攻法の力強い映画をハリウッドはいまだ創り続けているのだなぁと。
自分たちの歴史的悪行にも臆することなく、真っ向勝負で映画化する姿勢になんとも打ちのめされる。
やり返さない勇気…これが一番難しい。