今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

僕が星になる前に


最近、多方面の活躍で、人気のベネディクト・カンバーバッチさんの初主演作とか…


まだまだこれから人生を楽しむべき若者が末期ガンに冒され、まだ体が動くうちに友の手を借りて、どうしても見たかった浜辺を目指すお話。


そこに着くことが出来たら、彼にはどうしても成し遂げたいことがあった。


でも、友達には一言も洩らさず、最後の最後で彼らに望みを託す。


死を見つめて生きること…


まだ、先の人生がある友のそばで力尽きていくこと…


彼の思いはどれほどか…


こんな最後の旅に付き添う友人達はどんな人達なんだろう。


いったい、これまでの日常でどんな関係を築いてきたなら、こうした時間を共にしようと思えるのか…


それとも、これはイギリス人の気質?


そんなことはないよね。


彼らの過去については一切語られないけど、彼らの繋がりについては、ある意味羨ましい。


様々な偶然が重なり、彼らの旅の終着にはもう身一つの状態になってしまうけど、彼らはそれでも友のために旅を完結させる。


そして、友の本当の望みを知る。


皮肉なことに最後の望みに手を貸すのは、主人公と距離を取っていた友人。


彼は、主人公の姉との不倫関係を告白し、全てを清算し、姉との関係を公にしようと決意する。


主人公には死期が近づいてるからこそ、何も言わずに見送ろうと考えていた彼が、姉との関係を告白するに至った心の変化はどうしてだろう。


主人公がなにより大切にしていた姉のこれからを支えていく決意をしたからこそ、主人公に最後の手を下したのか…


ラスト、波打ち際に居並ぶ4人の姿。その姿がなんとも言えない余韻を残す。


死を迎えるに際して、淡々と映し出すスクリーン…特にドラマチックに画くわけでないのが良かったな。