今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ドラッグ・ウォー ー毒戦ー


新宿シネマカリテにて鑑賞…


ジョニー・トー監督の傑作と聞いていたので、あまり馴染みのないシネマカリテに参戦!!


以前、「オオカミ少年」を観に行って、居心地の悪い劇場だなぁと感じて、あんまり好きじゃない劇場(・・;)


でも、映画の方は面白かった(*^^)v


私、実はジョニー・トー監督の作品は2つしか観たことないのだ(;^_^A


でも、スゴい映画を撮る監督だって知ってる。


「エグザイル-絆-」と「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」を観ただけなんだけど…


「悪の世界」で、ヒリヒリする緊張感と極限の世界での男の友情…


もう超カッコいい生き様を見せる男たち…


上映劇場や上映時間の関係で他の作品を観る機会が無くて、残念なんだけど…


今回は初めて全編中国本土で撮影し、その過激な内容に当局から検閲が入ったと聞けば、もう今回は何を置いても観に行かなきゃ(o^^o)


でも、私が観た2つの方が過激と言えば過激で、男たちの友情を軸に描いていくからよりウェットな作品だった。


ところが、今作は、中国の暗部と言える麻薬問題に焦点を当てており、警察と麻薬組織との攻防をかなり冷静な目線で描いてる。


警察内部の繋がりや麻薬組織内での繋がりなどにあまり焦点を置いてない。


麻薬製造工場を運営していた男を警察側に取り込み、組織の黒幕をあぶり出していく警察のオトリ捜査に結構ハラハラさせられる。


多分、話が大きくて、それぞれの人の繋がりまで細かくは描けなかったのかなぁと。


それはそれで、警察と麻薬組織との激烈な攻防が面白かったけど(^_-)


で、麻薬製造工場の男がまた不思議な行動をするんだよね。「死刑」になるのがイヤだから、と警察に協力する姿勢を見せるんだけど、でも、組織の仲間にそれがバレそうになると簡単に警察を裏切って…


もう必死なんだよね、彼…中国はアヘン戦争の影響で薬物に対する処罰はかなり厳しいのだそうだ。即「死刑」だもんね。


それに対する認識はあるはずなのに、往生際が悪いというか…


でも、最後まで生き残るのは彼なワケで…


また、ラストに用意されてる銃撃戦はハリウッド大作での大がかりな銃撃戦を見慣れてる人には、ある意味ノスタルジックな…


基本はピストルだから…


一撃必中のヒリヒリするような緊張感に覆われる銃撃戦…警察も悪党もプロの仕事士って感じなんだよね。


で、人間はあっさりと死んでいく…


特にショッキングなのは、2人の女性警官の最期。女性警官にだけ、こういう最期を用意したのは監督の何か意図するところなのか…


そして、ちょっとした場面なんだけど、細かいとこまでちゃんと描くなぁと感動したとこが!!


お話の中盤、麻薬の原料を運んでいるトラックを運転していた男たちがラリって、運転を誤り、警察官に拘束されそうになる。


その場面、例の麻薬製造工場の男が運転手たちに向けていた拳銃をトラックのそばに捨てる。


「拳銃を拾っておけ」と指示し、走り始めたトラックを追跡する刑事の車両が走り去った後、事後処理をする警官たちがスクリーンに登場する。メインは走り始めたトラックと警察車両なんだけど、ちゃんとその後も映し出される。


ラストもそうだ。銃撃現場で放置されたスクールバスにちゃんとスワットが助けに入り、子供たちを救出するシーンがバックに映る。


あぁ、中心の映像だけでなく、こうして全てが納得いくように流れていく。


細かいとこを手抜きしない…


ただ、バックで流れてるんじゃなくて…お話の中でちゃんと触れてる…


細かい配慮や目配りが効いていて、それでいて、中心ラインはあくまでもドライ!!まぁ、とにかく面白かったので、大満足\(^o^)/