今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

新しき世界 


公開後に観ようと決めていた本作。


なんと、公開直前に試写会で鑑賞できるというラッキー\(^o^)/


まず、かなり上出来の部類の映画です。それは間違いない!!


昨年韓国でヒットした映画「10人の泥棒たち」は定価で観る価値をあまり感じられなかったけど、本作は仮に定価上映でも十分観る価値はある(*^^)v


いやぁ、オープニングからもの凄い血みどろの緊張感(゜o゜;)


おい、おい、のっけからこれかって!!


主演と言って良いのかな、3人の男の生き様がなんともね。


イ・ジョンジェ
ファン・ジョンミン
チェ・ミンシュク


この3人がそれぞれの色を明確に出して、ずっと緊張感を維持する。


インファナル・アフェア」という潜入捜査物の大傑作に十分対抗できる。


暗躍するヤクザを壊滅せんとする警察…そのために、新進の華僑の若手ボスに潜入捜査官を送り込む。


韓国社会の裏側で生きる彼と「華僑」という断ちがたい同じ血筋の警官を…


警察内部でも潜入捜査官の身元について知っているのは直属の上司であるチーム長とその友人である局長だけだ。


潜入捜査官は、警察官としての矜持を保ちながらも、華僑のボスの覇権拡大に大きな力を尽くし、懐刀となっていく。


彼自身も上司の命令だから、仕事として潜入を続けるが、結婚し、どんどん組織の中での力を持つようになっていくと自分の置かれた立場のアンバランスさにうろたえを隠さない。


それまでバラバラだった組織を会社組織にまとめ、一大勢力になった彼らの大ボスが事故で亡くなる。


はたして、ボスの死は事故によるものなのか…組織内の覇権争いが激烈になり、それぞれの立場で抗争を始める。


この辺りの話の運びには無駄もないし、無理もない。そこが素晴らしい。


そして、韓国映画ならではのシビアな内容にも必ず「笑い」が盛り込まれてるとこはちゃんとおさえており、抗争の武器は刃物ばかりじゃなく、しっかり金属バット!!


あとはどこかで跳び蹴りが登場したら、完璧だったな(*^^)v


抗争のさなか、潜入捜査官の身元がボスにバレてしまうんだけど、彼は責めない。裏切られたことに対する怒りは当然あるのだろうけど、死期の近づいた自分の後を彼に託す。


「兄貴の言うとおりにやれば良いのだ」と…


組織の兄の死で、潜入捜査官は、新しい世界を構築する。かつての警察の仲間を葬り、警察の父であるチーム長と局長を始末し、ボスの長年のライバルを排除し、自分の本地を知る者を全てが死んだ後、組織のトップに登ることを選択する。


ラストで若い頃のボスと潜入捜査官の出入りの様子がスクリーンに登場する。


イキガってはいても多勢に無勢であっさり引き下がるボスの姿を見て、1人殴り込みに行く潜入捜査官…


2人はこうして、2人の歴史を作り上げたんだろう。だから、兄貴は弟の裏切りに断固たる決断を下せなかった…


そして、その兄貴の思いはしっかりと弟に伝わっていく。


弟が君臨していく「新世界」…


チーム長の言う「何も変わらない…」という意味が分かるのはまだまだ先の話だ。


とにかく、三者三様の生き様が素晴らしい。


バカっぽく振る舞ってるけど、実は相当にシビアなボス。ボスの懐刀として、歯に衣着せぬ発言をする理事(潜入捜査官)。組織壊滅のために正面から組織に挑むチーム長。


3人の駆け引きがいつ真実がバレるのかとハラハラしながら観ていくことで、こちら側の緊張感も高まっていく。


韓国映画はもともと好きだけど、その理由の1つは「泥臭さ」なのだ。この映画もまさしく泥臭く男たちの闘いを描いていく。


感情の触れ幅も韓国映画は大きくて、緊張感と背中合わせに小ネタによる笑いも挟み、完全に心が持って行かれる。


ここ数年、素晴らしい韓国映画が多く公開されているけど、この映画はそのトップに立つほどの作品だと思う。


誰のファンとか関係なく、好きなジャンルとか関係なく、誰が観ても唸ると思う。


ホント、良かった\(^o^)/