今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

黒四角


東京国際映画祭のコンペ出品作としてすでに観ている人はいるようですが…


今回は、東京国際映画祭のキャンペーンに当選し、鑑賞券をいただいたので、新宿ケイズシネマにて鑑賞。


ケイズシネマは、よその劇場ではかからない映画を期間限定で上映してくれる映画館で、80席ほどの小さな劇場だけれど、椅子の座り心地も良いし(ここの椅子は疲れない!!)、そしてなにより、前後の椅子と椅子の感覚が十分にあり、前の椅子を気にせず足を組み替えたり、前の椅子の背もたれに付いてるバック掛けにバックを掛けてても足に当たることがない。


スクリーンの大きさと劇場の空間のバランスが良くて、大きすぎたり、小さすぎたりの違和感がない。


劇場を造るにあたり、観る側の心地良さをとても考えられたのではないかと素人ながらに感動しちゃう劇場だ。


ここで、映画を観るのは、3度目。


韓国映画風と共に去りぬ!?」、中国映画「ブッダ・マウンテン」に続いて…


どっちも他の劇場ではかからなかったでしょ?どっちも良い映画だったけど…


つまり、そういう映画なのかなと「黒四角」についての予備知識はほとんどにいままに…


そして、映画を観た最初の感想として、まずその感覚は当たり(^◇^;)


地味な映画だ。でも、とても良い映画。


公開初日の3回目に鑑賞。初回と2回目に監督と主演の男優さんの舞台挨拶があったために3回目は、ほんの数人で鑑賞するという、ある意味贅沢な時間となりました(;^_^A


舞台は中国。芸術家村…若き芸術家たちが集い、それぞれの創作に勤しんでいる。


上海のような大都会ではなく、辺りの風景は田舎なんだけど、そこに住む人たちがある種特別な存在だから、街はあか抜けて見える。


そんな村に暮らす画家とその恋人。恋人は日本人女性だが、自分の作品作りをするにあたって、中国の方が水が馴染むと移り住んできた。


ある日画家の男は空飛ぶ黒い四角い物体を発見し、それを追いかけて村はずれの荒野までやってくる。そして、その黒い四角い物体から、自分と同じ年頃の男が(゜o゜;)


成り行き上、男を家に連れてきて住まわせることになるのだが、出張のため出かけることになり、恋人と男を2人きりにするわけにもいかず、自分の妹を呼び寄せる。


そして、その妹と突然現れた男(画家は黒い四角い物体から出てきたから、彼の名前を「黒四角」と付ける…)とが実は運命に導かれて出会ったのだと…


男が突然現れて、運命の女性に会うまでの導入部は話の展開が読めず、どんなお話なのか正直戸惑いながら観ていた。


黒四角が元いた世界がスクリーンに登場するところで、あぁこれは壮大な愛の物語なのねと…(^_^;


1つだけ、要望があるとすれば…黒四角の前世で画家の男に会った時、日本にいる妹の写真を見せるんだけど、その写真がスクリーンに映し出されることはなくて。あの写真に黒四角と画家の恋人のハナちゃんが兄妹として映ってたら、完璧なメロドラマ(^_-)


時空を超えたファンタジーと称するのがベストな映画。


ただ、その舞台となったのが、第二次大戦下の中国でうら寂しい村はずれの仕舞た屋で、現在の舞台も中国の小さな村というのが、なんとも地味で…


戦時下で出会った黒四角とリーホワはチフスの治療のために数回会うだけなのだが、互いの立場を思い、「いつか会える」という希望を語るだけで…


交わす言葉が少なくても、2人の気持ちは強く伝わってくる。


奇想天外な発想から始まった物語がなんとも純粋な愛を語っているのが驚きでもあり、この映画の楽しさでもあり…


様々な出会いを経験した2人…


ラストでやっとリーホワのところに戻ってきた黒四角が、自分に向かって真っ直ぐ歩いてくる彼女の名前を呼ぶ。


「えっ!!まさか、そんなことはないよね?」っと心の中で思い描いた通りに、黒四角の声は空を切る…


こんな切ないラストはあり得ない!!


観た人がどんな感想を抱くかなんて、私は知らない。だから、私の勝手なんだけど、このラストは完璧だと思った(≧∇≦)b


それまでの本編144分の全てをうっちゃるぐらいのラスト!!


おそらく、鑑賞券をいただかなかったら、劇場には行かなかったな。タイトルが面白いなと思って応募しただけで、まさかこんなファンタジーだとは思ってもみなかった。


映画って、スゴいな!!


ホント、感謝しちゃう。


期間限定です。行ける人は行ってください。こんな地球の隅っこみたいなブログで叫んだところであんまり意味は無いけど…(^◇^;)


6月1日(日)にも監督が舞台に登壇するそうですから!!


1日はサービスデーだから!!


あれっ!?


私が調べた上映スケジュールは30日までしか出てなかったなぁ。だから、期間限定だと思っちゃったんだけど、その先まであるってことはもう少し上映するのかな?


まぁ、でも早いにこしたことはない(;^_^A


是非!!!