原題のまんまな内容の映画はお久しぶりでございます。
なにしろ、89分っていう尺が最高じゃありませんか?今時ねぇ(笑)
自撮り風の映像を本編に差し込むのを何と言うのでしょうか?私は、映画好きだけど、映画通ではないので、そういったジャンルの総称なり、略称を知らないんだけど、最近よく見かけるタイプの映画の始まり…
とある男所帯の家族の朝の風景から…
登場人物たちにはそれぞれ簡単なプロフィールがクレジットされ、だいたい彼らのバックボーンが分かる仕組みになっている。
竜巻が主役の映画なのだから、確かに脇を固める登場人物たちのバックボーンが端折られるのは特に問題ないな(*′ω`)b
で、どうもお母さんが亡くなって、上手くいかなくなったらしい男所帯の家族はお父さんが高校の教頭先生で、息子2人はその学校に通う高校生。
その日は、お父さんにとって大切な卒業式。式の模様を息子たちにビデオ撮りするよう厳命する。
空模様はどうも怪しい…
その怪しい空の下、もう一方では一獲千金を目指す竜巻ハンターが気象データをにらみながら、必死に竜巻を追いかける。
序盤は竜巻の「た」の字もない日常風景で、竜巻ハンターは登場するけど、彼らの仕事はまだまだ…さらに、クレジットで「冒険バカ」と紹介されるいわゆるYouTubeの投稿者はただはた迷惑な挑戦に勤しんでる最中…
ここら辺りはいたって退屈(笑)見事なくらい退屈(笑)
これがどうやって、あの予告映像に繋がるのかと訝しくなる(汗)
しかも、自撮り少年たちが竜巻を撮るのかと思ったら、そうでもない(汗)
だんだん焦れてき始める頃、一気に竜巻が押し寄せる。
まさに男所帯の家族が住む町へ。データに基づいて車を走らせ、他のチームに出し抜かれてしまったハンターのいる町へ。冒険バカがくだらない挑戦を続ける町へ。
登場人物たちが集結するのを追うように竜巻も次々と集まってくる。
1つだって、大変な被害をもたらす竜巻が前に後ろに横にと…
観てる私達もその恐ろしさに身を固くしていると、竜巻ハンターに雇われたカメラマンがその恐怖で仕事を下りると言い出す。
が、竜巻の映像を撮ることで得る報酬を考え、再びカメラを持つ。そして、彼は竜巻に近づいた挙句、カメラを奪われ、そこに収められた自らの報酬元を取り戻そうと危険を承知しながら近づき、命を落とす。
竜巻の恐怖もさることながら、高額な報酬のために危険に対する感覚を麻痺させていく様の怖さもしっかり描いてた。
私はこっちの方が怖いと思った。自分は止めたくても、まわりの状況で言い出せなくなって、最終的に抜け出せなくなってしまう。その挙句、命を落とすなんて…
父に内緒で卒業式をサボり、廃工場に行った長男。廃工場は竜巻で崩れ、長男は好きな女の子と閉じ込められてしまう。
たとえ、今は上手くいってなくても、父親は息子たちを大切に思い、愛している。長男を助けるために彼は竜巻と戦う‼
長男が廃工場で助かったシーンは「海猿」かって、思わずツッコミを入れてしまったけど、家族の絆が取り戻せて良かったわ。
教頭先生として、生徒たちを危険から救い、最後は息子たちの機転をきかせたアドバイスに従って、巨大竜巻をやり過ごす。
竜巻が登場してからのパワー溢れる映像とそのスピード感は、もう映画館ならではo(^o^)o
これは劇場で観るべき。序盤の物語部分はまぁ我慢のしどころということで(笑)
人の力ではどうにもならない自然災害の怖さを体験してしまう。
ラストで主人公家族の隣人のおじいちゃんが言っていた…普通の人が大事な役割を果たすって。
この映画は普通の人の目線に立った映画なんだな…
昨今、我が日本に降る雨は短時間で記録的な雨量となる「ゲリラ豪雨」がしばしばだ。鑑賞した頃は広島県で多大な被害が報告されていた。
そんな時になんだか、不謹慎な気もして、ちょっと申し訳ない気持ちで映画を観ていた。
自然の猛威に私たちはどう向き合えば良いのだろう。
そう考えながら、帰路についた。