今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

柘榴坂の仇討


試写会にて鑑賞。


試写終了後、場内に拍手が沸く。
えっ、マジ(゚o゚;;って思って、まわりを見渡す。


私には正直、映画で観るほどの物だとは思えなかった。ドラマで十分。


最近の邦画の特徴である説明し過ぎなシーンの連続でこちらの想像力で楽しむ風情は全く無い。


そんな中で、やはり吉右衛門さんの役者力には圧倒された。


さすがだな、鬼平


井伊大老桜田門外ノ変で命を落とし、その時の生き残りである男と首を捕った後、ひたすら身を隠して生きてきた男との邂逅。


雪降る停車場の前の車寄せで13年ぶりに仇討の相手に出会う男を中井貴一。その仇討の相手を阿部寛


2人がどんな思いで生きてきたのか。停車場から人力車に乗りながら、車夫と客の立場で互いの境遇を語り交わす。


そして、柘榴坂を登りきったところで、仇討の刃を向ける。


その日は、正式に仇討禁止令が発布された日だったという皮肉な巡り合わせ。


この2人の男の柘榴坂の出会いで映画はラストを迎えるべきだったのではないか…


たとえ、原作に描かれていようとも、その後のシーンはオマケでしかない。


オマケのシーンで普通の時代劇(町ものって感じの…)になってしまっていた。


なんで、あんなに説明するのかなぁ。広末涼子が涙ながらに二度と会えないと思って送り出したと帰宅した夫の中井貴一に言うけれど、あんなこと言わなくても、観てる側は理解しているし、広末涼子が言うとホント安っぽくなってしまって、残念。