2015年最初の劇場鑑賞は、世界で最初に宇宙に飛び出した人のお話(ง •̀_•́)ง
これが、ロシア映画だということがおおきな意味があるんだと思う。
タイトルがロシア語って結構違和感だったなぁ。馴染みが無いからねぇ。
さて、本編…
映画は、既に多くの候補者の中から初めての宇宙飛行士としてガガーリンが選出された後から始まる。
準備万端整え、発射を待つガガーリン。
そして、実際に宇宙に飛び出したガガーリン。
その時、その時のガガーリンの様子とそこに繋がる回想で構成されている。少年時代のガガーリンは子役が演じるからすぐに分かるが、長じてからの回想がカラーなので、急な場面転換のようで少々戸惑う。
回想を追っていくとガガーリンが選出された理由もなんとなく分かる気がする。
ことさらに感情的に描かれていないので、まるでドキュメンタリーでも見ているかの印象を持つ。
そうした冷静な目線で、淡々と進む状況で差し挟まれる宇宙の姿。
現代的な宇宙物と違って、その視点はあくまでも宇宙飛行中のガガーリンの目に映った物に限定されている。
小さな船の窓から覗く地球の姿と彼が目にした太陽が顔を出す地平線。それが、当時の「宇宙」の全てだ。
誰にとっても未知の宇宙飛行はどんな場面に出くわすか全く分からない。身体的にも精神的にも過酷な状況下でありながら、淡々と現状を受け入れていくガガーリン。
むしろ、地上で彼を待つ人々の方が一喜一憂して慌ただしい。
そんな違いは当然ながら、ガガーリンを取り巻く未来も予想させる。
だが、そうした負の部分はこの映画では描かれていない。ラストで、その後を語る文字がスクリーンに映し出される。
国家的プロジェクトである宇宙飛行を通し、貧しい農家の出ながらも最終的に大尉まで上り詰めたガガーリン。その後、彼がその栄光のために自分を見失っていったことを語る映画がロシアで作られたということが大きい気がする。
本編はあくまでも栄光の瞬間までだけれど。
息子が夢の宇宙飛行を実現した事実を知り、歓喜の渦を離れ、1人微笑む父親が素晴らしい。こういう頑固親父に育てられたんだなぁと。そんな育ち方をしていても、結局自分にのしかかった重圧を跳ね除けることは出来なかったんだなぁと。それだけ大偉業だったのだなぁと…
108分間の宇宙飛行。現代の最先端の技術による「宇宙」開発と比べれば、当然アナログなわけだけど、1番驚いたのは地球への着陸。
大気圏突入後、火に包まれだ宇宙船を脱出する場面は息を飲んだ。普通に飛行機から脱出するようにパラシュートで降りてきたから…(´・ω`・)エッ?
アポロ型の宇宙船のまま降りてくると思い込んでた(汗)まさか、ガガーリンがそのままパラシュートで降りてくるなんて‼しかも、雲の上から‼
寒くて死んじゃうよっ‼
あの場面が1番「命懸けの偉業」を実感するシーンだった(笑)
そういう意味でも、知ってるようで実は知らない「秘話」に触れる機会にもなるし、こういう冷静な目線で描かれた映画は良いと思う。