今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

トラッシュ! この街が輝く日まで


TOHOシネマズみゆき座にて鑑賞。


舞台はブラジル。時は、ブラジル・ワールドカップを前にした頃。


貧しい人々が肩を寄せ合って暮らすスラム。その先に広がる広大な「ゴミの山」


スラムで暮らす人々にとって、街から集められたゴミは生きる糧を生む宝の山だ。


ゴミの山から使えそうな物を集めては僅かな金に変える。その僅かな金で命を繋ぐ子供達が主人公。


権力を独り占めし、賄賂を受ける議員を告発しようとした青年が命懸けで守り抜いた「手紙」に繋がるヒントを託した「財布」をゴミの山から見つけた少年達。


そこから、彼らの闘いが始まる。


ただ「正しいことをする」ために彼らは立ち上がる。その純粋な正義感がどす黒い闇の世界に住む大人達を翻弄する。


確かにこんなに物事上手く行くもんかって思う展開が無きにしもあらずだけど、なにより少年たちが起こした奇跡がこ気味いいv(^v^)v


スラムで育った少年達に、こうした「正義感」を芽生えさせたのは、全てを投げ打って地域に貢献する牧師やボランティアの外国人による「教育」だ。


途中、命からがら逃げ回っていた子供達が、財布に託された本当の意味を知り、立ち上がる決意をしたところから、物語はそれまでと違う様相を呈してくる。


希望は必ず引き継がれるという青年の言葉。


主人公である3人の少年達は、それぞれに素晴らしい才能を持っている。1人は正義を貫く勇気を、1人はすばしっこさと記憶力、1人は機転のきく知恵を…


貧しいゴミの山の生活とワールドカップを開催する上げ潮の街の活気は、どう見ても同じ時代に背中合わせで存在したとは思えない。


そんな両極端な側面を持つブラジルの現実を、少年達を主人公に据えて描いた本作を観ることは、世界の「現実」を観ることにも繋がるように感じる。


ラストシーンで笑顔を見せる少年達にこれから幸多かれと祈りつつ…