今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ドラマ「ジャーナリスト事件簿〜匿名の影」


WOWOWで推している(!?)北欧サスペンスの1つ。


「ジャーナリスト事件簿〜匿名の影(全6話)」


猪突猛進型の新聞記者が主人公。


彼には世間の人がみんな知ってる大企業の役員を勤める兄がいる。


子供時代の父親との確執から互いに疎遠となっていた兄弟が、大企業を舞台にしたインサイダー取引に関する疑惑が起きたことで再会する。


兄は追及される側で、弟は記者として追う側の人間としての再会。


互いに距離を持ったままの再会の場で、兄は普段と変わらない姿を見せながらも、別れ際に自ら命を断つ。


兄は何を言いたかったのか、兄は何を伝えたかったのか、兄は何に追い詰められたのか…


兄の自殺が事件を大きく動かしていく。


兄と関わりのあった人々を追いかける過程で、記者の目の前で次々と死者が…


次々と怪しい人物が登場するが、兄が卒業した大学にいる教授にたどり着いたところで、事件の大筋が見えてくる。


大きな野望を抱えた学生たち。彼らはそれぞれの立場で得た情報を元にインサイダー取引をしては大金を稼ぎ、成り上がっていく。その秘密を共有した13人の学生たち。


そこまで行き着いた時、恐ろしい彼らの悪事が判明する。彼らの掟に従わなかった仲間を見せしめに殺したのだ。
それも、これ以上ない非情な手段を用いて…


まるで秘密結社のようなつながりだった学生たち。


自分の大切な子供を差し出せという聖書の記述にまつわる掟。子供を守るために命を断った男たち。


いったいこんな掟にどんな意味があったのか。殺人集団に成り下がった秀才たちの成れの果て。


弟は現実を追いながら、追い詰められた兄と父との関係も明かしていく。


牧師であった父は、兄の中に悪魔を見た。すでに父は常軌を逸していた。その父に虐待されながら育った兄が、父親の元を離れ、自らの居場所を見つけようとした結果。


悲しい家族の物語も平行して語られる。


でも、お兄さんの選んだ道が間違っていたことはよく分かる。そして、蚊帳の外だった弟の寂しさと悔恨。


どんな時も弟を守ろうとした兄の姿を記憶の奥底から引っ張り出す弟がなんとも悲しい。


事件の顛末はちょっと私には理解不能。聖書の記述にまつわる掟に縛られる彼らの繋がり。そこまでして、自らの野望を成し遂げたかったのか。


あまりに身勝手な彼らの発想に驚く。


後味が良くない事件ものってことで、とりあえず一気に見ないと見きれない感じだ。