予告を観て、ステキな映画っぽいなぁと思って、早く観たかったけど、TOHOシネマズ日本橋でしかやってない。
内容的には、シャンテ辺りかと思ってたので、ちょっと大変。日本橋は、ハシゴが難しいので…
というワケで、なんとか時間を空けて、お出かけ〜
ターバン巻いたインド人のおじさん。彼の家には同郷と思われる男達が肩を寄せ合うように暮らしている。まず、この風景を見て、彼らは大丈夫なのかと思う。
おじさんは、政治亡命をしたらしく、アメリカの市民権を得て、IDも持ち歩いているが、彼の家にいた男たちは不法滞在で検挙されてしまう。
こうした人種差別と不法入国というアメリカの抱える問題もさり気なくお話に盛り込まれながら進む。
このおじさんは後々語るが、実は本国では教養もあり、社会的に立場もあるのだが、アメリカでは生きていくために車の運転を生業としている。
タクシー運転手と運転教習の教官。
タクシーでたまたま乗せた女性が、夫の不貞を知らされ、離婚の危機に。彼女は自立の一歩として、それまで夫に頼りきっていた運転に挑戦するため、ターバンのおじさんを教官に。
教習中に語り合う2人。
この2人、怪しい雰囲気が無いでもないが、おじさんは自らが信じる宗教の教義に則して、誠実に生きている。
紆余曲折あった教習も教官であるおじさんの励ましで彼女はめでたく運転免許を手にする。
当たり前だと思っていることが、実はそうではなかったこと。そんなことに気づきもしないで、いつの間にか思いやることさえ忘れている現実。
2人の出会いは、そんな当たり前のことに気づくことの大切さを私たちにも教えてくれる。
大人の選択をし、2人は新しい一歩を踏み出す。それが後味爽やか‼
免許を得て、自らの運転で娘が働く農場へ向かうその車窓の風景が流れるラスト。爽やかな風が私たちにも吹いてくるようだ。