今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

クーデター


そろそろ都心での上映も終了らしい。


慌てて、新宿バルト9の最終回に。


夜も眠らないバルト9。終了が午前0時過ぎでも、まだまだ他の作品は上映中だ。終電の時間を睨みながら、エンドロールはもう捨てて挑みました。


まず、この映画、面白い。


けど、ストーリーはあるのか?


とにかく、東南アジアのある国に着いたら、ネットも電話も繋がらない。仕方ないから街に出たら、あっちから武装グループ、こっちから警官隊。


主人公はあっという間にクーデターの混乱のど真ん中に放り込まれる。


ストーリーも何もあったもんじゃない。


欧米諸国の力を借りて、発展を遂げようとする東南アジアの小国。しかし、彼らの国が受け取るはずの、開発援助という聞こえの良い言葉の真実は、大国への従属だ。


そして、「水」をビジネスとするアメリカの企業から現地の責任者として送り込まれたのが主人公であり、その家族だ。


慣れない土地で、慣れない生活をするために相当な決意と覚悟でやってきた。ところが、実際には誰も彼らを歓迎していないのだ。


外国人は国を蹂躙する「敵」と看做され、片っ端から攻撃の対象にされてしまう。


主人公には妻と小さな娘が2人。


新しい生活に馴染もうとしたその朝に始まったクーデター。明日をも知れぬ混沌の中に放り込まれ、ただひたすら逃げる。


その過程で、夫は先手先手を考えて行動することを信条になんとか窮状を脱していくのだが…


全編ハラハラしっぱなし( ̄◇ ̄;)


そして、長女ルーシーのバカっぷりにイライラしっぱなし。


ホント、必死に活路を見出し、生きる道を手探りで進む中、この長女の存在は邪魔以外何ものでもない。


これが、大人の男や女なら、「死ね‼」と腹の中で毒づきながら、観てれば良いが、これが子供だから、変な同情心を持つ人は真正面から責められないんだろう。


だが、私は違います。


置いてけ、この長女って何度思ったか…


ホント、イライラした。面白さが半減したと言っても過言ではない。


挙句、ラストで自分の出産時のエピソードを無理矢理話させる。そんなことよりも親父を休ませてやれ、お前のせいでボロボロだって腹の中で絶叫( ̄◇ ̄;)


まぁ、長女の腹立たしい存在を差っ引いてもツッコミどころは満載なのだが、そんなこと考えてたら、置いていかれてしまうので、とにかくスクリーンから目が離せないのだ。


今の時代、この映画に登場する家族になってしまう可能性は誰にでもある。


どこか見知らぬ土地の見知らぬ事件と片付けられない恐ろしがあった。