今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

顔のないヒトラーたち


ヒュートラ有楽町2週目で鑑賞。まだ2週目で、お客も入ってるのに、小さなスクリーン2での上映になっている。


スクリーン1は初回1回のみなんて…


仕方ないから、休みなのに早起きして行ってきた。最前列を残して、ほぼ満席。


ちょっとスケジュール調整間違ってない?


というワケで、ちょっと納得いかない中で鑑賞(汗)


まぁ、客足が伸びるのは分かるなぁと。


ドイツの戦後処理について、真面目に扱った映画。


ナチの残党に対して、戦後70年経った今でも追及を続けるドイツという国。それが、ドイツの真摯な姿勢と受け止めていたけれど、かの国にあっても、戦後処理は様々なところに蓋をした状態で表向きの解決がなされていた。


しかし、人々の心に残る傷はけして戦後補償で癒えるものではない。


そこに若き正義感の持ち主が、自らの検事という職務の中で「出来る事」に挑むお話。


彼の一歩はアウシュビッツ裁判という形になった。


その裁判を迎えるまで、彼が全力で誠意をもって行動してきたのは間違いないが、彼にだって、どうしても越えられない壁があり、挫折をし、1度は検事を辞めようという決意もする。


しかし、彼は再び原点に立ち戻り、前を向く。


こうした挫折の中から立ち上がった人間は強い。


生き残った人々から、思い出したくもないはずの収容所での出来事を聞き出し、1つ1つ捜査を進め、証拠を集め、法廷で問いかける。


今ある戦後処理への真摯な姿勢は、これらの勇気ある人々の証言を形にしていった結果だ。


その一歩を私たちは劇場で観ることが出来る。


もちろん、それで全て解決したわけではないし、結局彼らの手が及ばなかったナチもいた。


しかし、それでも、後世の歴史に1つの方向性を示すことは出来たというお話だ。


是非とも劇場で。


そうそう、主人公が捜査の段階で様々な現実を知り、恐怖を覚え、それを夢に見るシーンは、かなりリアルで恐ろしい。当時を知らない若者である検事が数々の証言から感じる恐怖をよく表していると思った。


それは、私にも恐ろしい描写であった。