今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

お父さんをお貸しします


四ツ谷の韓国文化院で開催中の「コリアン・シネマ・ウイーク2015」にて上映の作品。


主演は、先日まで夢中で見てた韓国ドラマ「家族なのにどうして」で長女と結婚する偏屈だけど心優しい常務さんを演じてたキム・サンギョンssi。


この方、「殺人の追憶」にも出てなかったっけ?


シリアスな役だけじゃなく、コメディも十分こなせる男優さん。なかなかイケメンです、正統派の。


さて、そんな主人公。なんと実業家として店を出すけど、潰してしまうなんとも頼りないお父さん。失業生活もはや10年。自慢の一人娘はそんなアッパを遊び相手くらいにしか思っていない。


そんなある日、学校で不用品を交換しようという授業が行われる。可愛い一人娘の不用品は、なんとアッパだ(@_@;)


同級生の1人にアッパを1日レンタルすることになった。そんな子供の話に付き合う父親も父親だけど、父親のいない同級生の遊び相手としてひとまず義理は果たす。


ところが、同級生の母親が寄越した謝礼に目をつけた一人娘は、小学生だと侮るなかれ、なんと「アッパ・レンタル」事業を立ち上げてしまう。


最初は乗り気だった娘だが、しばらくすると様子が変わってくる。失業生活で身についたあくせくしない父親の接し方がお客に受けて、段々とレンタルが増え、忙しくなってくる。


忙しくなれば、当然今までのように遊び相手にもなってもらえず、しかも妙にお人好しの父親は、依頼主のややこしい関係にも関わるようになっていく。


こんな筈じゃなかった。アッパは貸しただけで、あげたんじゃない‼


娘は小さな胸を痛め、自分もアッパをレンタルしようと大事なブタの貯金箱を持って父親を呼び出す。


でもね…失業中のアッパは娘の目を盗んでブタさんからお金をくすねてたんだよ〜┐(´-`)┌


ソウル大卒の頭だけは優秀なダメダメ父ちゃんだけど、結局はみんなを幸せにするきっかけを作ってあげた。


韓国社会は厳しい生存競争の真っ只中にあり、映画のように高学歴の人でもなかなか職に就けないこともあるそうだ。その厳しさは日本以上であるらしい。


だから、実際の失業中の人が見たら、こんな呑気なものかと怒りだしそうではあるな。


まぁ、失業中の家長を囲む家族の物語として、精一杯夢のある幸せなお話にして見せてくれた。


そして、やっぱり「許三観(ホ・サムグァン)」同様、子役に泣かされます。一人娘を演じたお嬢さん。私は初めてお目にかかります。


雨の学校でアッパに「帰ってきて」と泣きながら訴えるシーンは、私も泣いてしまいました。


お見事です‼


家族愛を語る映画はやはり子役によるところが大きいわけで。ホントに素晴らしいなぁ。韓国映画界は子役も1人の俳優として扱う演出家が多いと聞いたことがある。そうした環境がこの結果を生んでるんだろう。お飾りでなく、しっかり、1人の俳優として物語の中に存在しています。


こんな家族をテーマとした映画を見るとホッとするねぇv(^v^)v


これで私の「コリアン・シネマ・ウイーク」は終了です。また、来年楽しみたいなぁ〜と。素晴らしい企画です。ありがとうございました。