今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲


試写にて鑑賞。


あんまり、犬は得意じゃないの。子供の頃、追いかけられたのがトラウマになってて(泣)


オープニングに登場するのは物語が佳境に入ったところで流れるであろうシーン。主人公の少女を追ってくる犬軍団に度肝を抜かれる。


ストーリーについては、どんな話か事前情報も無く、見始めてびっくり。なにしろ、冒頭のシーンは食肉牛の解体シーン。


グロいの苦手な人は初っ端から引くこと確実。


そこで働くおじさんはなんだか曰くありげ…同僚から「教授」と呼びかけられ、「もう教授じゃない」と不機嫌に答える。


おじさんが仕事を終えると1台の車が待っている。


イラついた表情で降りてくるおばさん。前後の状況で、おじさんとおばさんは元夫婦。おばさんが海外に仕事で出かけるので、娘と飼い犬をあずけに来たようだ。しかし、よく見ると運転席にはおばさんの今の男。どうも、そいつが新しい「教授」らしい。


いやぁ〜、思春期の娘を前になかなかやり手のおばさん。美人でもないのに(笑)


雑種犬は高い税金を払わないと飼うことを認められるず、行政により捕獲されてしまう。


そう言った事情を知りながら、何の手続きもせずに元夫に犬まで押し付けるおばさんはよほど恨みでもあるのか?


そして、娘もやたら反抗的でつまらぬ意地を張り、背伸びをしてみせる。これがまた腹立たしい。


感情移入できるような登場人物が1人もいない珍しい映画(汗)


どちらかと言えば、人間の都合で振り回される犬の方に感情移入しちゃうんじゃないか?


娘が連れてきたハーゲンという名の雑種犬。アパートの住人からは短期間とは言え、同じ建物に犬がいるのは我慢出来ないと通報されてしまう。


元妻の仕打ちに不愉快極まりないおじさんは、突然やってきた犬に高い税金を支払う気など毛頭ない。


おじさんはハーゲンを捨ててしまう。娘は犬探しはするけど、子供1人ではどうにもならない。だからと言って、父親に歩み寄ることもしないので、いつまでも解決しない。


こんな堂々巡りをしばらく見せられる。少女の表情が乏しいので、父との関係で成長していく様が分かりにくい。


父娘の関係修復の裏で、ハーゲンは様々な人間の手に渡り、闘犬として慣らされていく。


娘リリといる時は穏やかな様子だったのに、牙をむくような闘争心を見せるようになる。その闘争心が彼を暴走させ、闘犬場から逃げ出してしまい、ハーゲンは捕獲されてしまう。


そして、収容施設での職員からの虐待にハーゲンは毅然と立ち上がり、同じように収容されていた多くの犬たちを先導し、彼らを痛めつけた人間たちに復讐を始める。


怖い、怖い、怖い((((;゜Д゜)))


めっちゃ怖い。


最終的にハーゲンを路上に捨てたおじさんの働く牛の解体場にやってくる犬たち。そこで、リリと相対して…


えっ、ここで終わり?


白々と明けてくる空の元。静まり返った犬たちの姿でラスト。


彼らの明日はどうなるのか?人を襲い、殺してしまった以上、その帰結は当然予想できるのだが、そこは描かれていない。


観終わって、なんとも言えない状況だなぁ。きっと、犬好きな人と嫌いな人とでは印象も違うだろうなぁ。私は主人公の娘リリが腹立たしくて、ムカついてたから、犬よりもそっちに気が取られてしまったけど(笑)