今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

エベレスト 3D (2D)


タイトル、紛らわしい(`_´)


原題は「EVEREST」、そして邦題が「エベレスト 3D」なんだそうだ。だから、2D版をリクエストする時は面倒なのだ(笑)


3Dについて、さほど効果は期待出来ないというレビューをいくつか見かけたので、じゃあ2Dにしようと。ところが、これが大変。どこもかしこも3Dばっか…


新宿バルト9様、素晴らしい。3Dより2Dの方が上映回数多いのだ‼


しかも、私が観た回は1番大きいスクリーン。雪を頂くエベレストの姿がスクリーンに映し出される時、やはりその大きさがグッとくる。


カトマンズの人で溢れる賑わいから始まる登山隊の行程。


エベレストへ向かうまでの希望溢れる登山隊の姿も描かれ、その後の過酷な結果を思うと。


国ごとに登山隊を組織して、エベレストへやってくる時代から、一般登山家をエベレストに案内して登頂させる「ビジネス」の確立した現在。


映画は、そうしたエージェントが組織した登山隊の記録だ。


高い登山費用を払い、個人で装備を用意して集まってくる登山家たち。それぞれ、個人で申し込んで、隊で顔を合わせる。


命を預ける仲間がその場で出会う人って…


山に登る人はまずその点の基礎はしっかり出来てる人なんだろう。普通の人が足を踏み入れてはいけない世界なんだな…


結局、ビジネスであるため、山の絶対的ルールを前にして、客の意向を可能な限り叶える道を選択したことが生んだ結果なのだ。


映画の中でも、「ルール」について厳しく戒める隊長なのだが、どこか客の思いに寄り添う手を差し伸べる心優しい顔を見せる。そのことが彼自身を追い込んだのだ。


山での行動は自己責任とは言え、そのまま見放したりはしない。だから、過酷な雪の中を助けに行こうとする人もいる。


その辺が辛い。


実話ベースなので、奇跡の生還は無い。だから、結果を知った上で観ているわけだ。でも、いつの間にか拳を握っていた。自然に体に力が入って、ホントに疲れた。


ジョン・クラカワーが登山隊にいたのには驚いた。彼、「into the wild」の人だよね?(あれっ?タイトル、これで良いのだっけ?)彼の遭難記を読んだことがあるが、あれはアラスカだった気がする。もう記憶があやふや(汗)他にも読んだことがある気がするので、そのうちの1つかもしれないな。


彼が登山隊に参加していたから、詳細が記録されたのか?


でも、彼は早々とキャンプまで降りていたし、他の人の様子に気を配れるほど体力も残っていなかったようだ。


生還者の記録は、彼ら自身の証言によるのだろう。そうなると、奇跡的な生還を遂げた「彼」については、彼以外知る者はいない。


そこがどうも私には…実話ベースできたのに、急に映画的な感じがして…たった1人生きて戻ったからこそ、生還までの「奇跡」を語れないんじゃないかと勘ぐってしまうような。


また、ほとんど脅しとしか言いようのない手段で、過去に例の無いベースキャンプより上空へのヘリ救助を敢行させた彼の妻は何者なんだ?


こはちょっと引いた…


家族の危機に対して、なんとしても救いたいという思いは理解できるが、やはり自己主張の国は違うんだな…と。


だからこそ、救い出せるのかと…


壮大で、孤高の存在と言うべきエベレスト。その前で人間はいかに無力であるか。山の意思は絶対で、そこに人間の意思が入る余地はない。


それでも、山に登る人々。彼らが山に登る明確な理由は何だろう。劇中でも取材と称して、クラカワーに問われた際、上手く言葉で表現出来ず、「そこに山があるから」と答える登山家たち。


あんな厳しい現実が待っているのに、なぜ登るんだろう。頂上で見る美しさに囚われてしまったのか…そのくらい凄い力があるんだな、頂上には。


山の様々な表情、特にその壮絶さを改めて見せられた。


お疲れ様の映画でした。