今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会 2015


新年あけましておめでとうございます*\(^o^)/*本年も気ままな日記稼業(笑)、頑張ります‼


さて、まずは2015年の締め括りのお話から…


2015年最後の1日。上野・東京文化会館で、ほぼ半日かけて行われた演奏会。


指揮は「炎のコバケン」こと小林研一郎さん、オーケストラは「岩城宏之メモリアル・オーケストラ」という名でコンサート・マスター篠崎史紀さんを中心に集った名手たち。


ベートーヴェンの9つある交響曲を1番から9番まで順番に、休憩を挟みつつ、一気にたった1日で演奏してしまうというコンサート。


冗談みたいな企画だけど、演奏してる人はもちろんのこと、鑑賞してるこっちも真剣。


白熱の指揮、渾身の演奏に触れる1日。クラシックは敷居が高いと思われるかもしれないけど、私のような下町育ちのおばさんにも十分に楽しめる内容だ。


夏のチケット争奪戦か半年。やっと本番。期待に胸をワクワクさせて席に着いてみると…以前のコンサートの日記でも触れたおじいさんがまた隣Σ(゚д゚lll)


7回行ったうち、3回隣って尋常じゃないでしょ?相変わらず、杖1本では歩行もままならず、介助する人もいないから席を立ったり座ったりの時にひじ打ちされたり、こずかれたり…(涙)


演奏が始まれば、寄りかかられたり、脇腹を何度もつつかれたり…これ、電車の中でやったら、痴漢と言われても文句言えない行為よ。


そんな体でもお1人で来るにはそれなりの事情があるんだろうが、なんでこうも度々隣になるのか。しかも、もっとダメなのはお風呂にも入ってないような悪臭なのだ(泣)


おそらく、体の自由が利かないから、お風呂もなかなか入れないんだろうが、そんな人の隣で鼻をハンカチで押さえながら、ベートーヴェンを聞く悲しさ。


場内を見回すと観客は高齢者が多い。東京文化会館はエレベーターやエスカレーターが無いことを事前に告知しているけど、もっと踏み込んだ広報をすべきだと思う。


介助の出来る家族などの同行を求めるとか、介助する職員を常駐させ、介助が必要な方の席を設けるとか。


それは車椅子席を用意するだけでは十分では無いと思う。もちろん、アンケートにびっしり記入したので、早速送りたいと思います。


演奏中も、ご自分のこだわりなのかベートーヴェンについて書かれた本をいちいち鞄から出したり、しまったりして、ガサガサと音を立て鞄に仕舞う度に私はひじ打ちされる(涙)


私が反対側の相方の席よりに身をすぼめると私との間の肘掛けは自分の物であるかのように完全に体をあずけてしまう。


もう悔しいやら、なんやら。お体が不自由な様子だから、こちらも強くは言えないし。でも、だからって調子に乗られるともう始末に負えない。


せっかく素晴らしい演奏を聞くために高いお金払って来てるのにね。しかも、長時間の演奏を考慮し、出入りのしやすい席を選んで買ってるのに(涙)


せめて、ご家族かスタッフが介助して、近隣の迷惑を軽減して欲しい。よく見ると、杖をついたおばあちゃんと付き添いの息子さんらしい人との2人連れや一緒に来た友人がサポートしてるグループを見かけた。


そうした対応が出来ない人も当然これからは多くなるだろうし、運営側にも検討してもらいたいんだけどね。


アンケートに書くだけじゃ通じないのかしら?


そんなボヤキはさておき、さあ、演奏です。


まず、1番の第1楽章…凄い。初っ端から、一糸乱れぬ弦の音。何人もで演奏してるのに聞こえてくる音は1つ。乱れのない澄んだ音色に驚かされる。


今回はこの1番はとても印象的だった。さらに3番「英雄」の第2楽章は、とんでもなくゆったりとした流れ。でも、指揮台の上のコバケンさんは渾身の指揮を振る。タクトの激しい振りはいつものことだけど、この時はさらに身振り手振りが目いっぱい。「炎の…」と言われる理由が分かる。


休憩を挟みながら、少しずつ隣のおじいさんを意識の外に出す努力が身を結び出す。鼻さえ押さえておけばなんとかやり過ごせるようになったところで、5番。


私、あんまり「運命」は好きじゃないのだけど、今回ばかりは鳥肌が立ちました。第4楽章のラストを迎える頃、サーっと鳥肌が‼


すぐに6番が控えてるのに鳴り止まない拍手。その気持ち、分かる、分かる。


そして、次の時間は7番、8番。やっぱり、7番は盛り上がるよね。これもホントに鳥肌が立ってしまった。


私の普段の生活環境の中では、演奏を聞いて鳥肌が立つなんて、滅多に経験できない。


7番の興奮を8番で落ち着かせてもらい、さらに9番、「第九」へ。


相方がお気に入りの森麻季さんのソプラノ。今年も伸びやかなその声が轟いていました。


最高の盛り上がりで迎えたラスト。昨年とは違い、舞台で挨拶をしているうちに年が明け、コバケンさんが小さい声で可愛らしく「ハッピーニューイヤー」と言って、この日の大イベントの締め括りとなりました。


その後は恒例のロビーでの篠崎さんを中心とするミニ・ニューイヤー・コンサート‼


ウインナー・ワルツで軽やかに新年の幕開けとなりました。


実は、今回は楽屋口で少し出待ちを。電車も終日運転だし、上野駅公園口の改札が締まる(午前1:20)までは余裕があったし。なにしろ、寒くなかったし(汗)


コンマス篠崎さんが出待ちの人たちに明るく挨拶され、気さくに写真撮影に応じてる姿に圧倒されました。確かに人数も少なかったけれど、普通に接してた姿には感動。


それになんと言っても、楽屋口に残ってた数人の人たちはみんな節度ある態度。ご家族がいたり、車に乗り込んでる時などは距離をとって静かに見守ってる。静かな対応に気を配ってる人たちばかりで、そちらもびっくり。


とにかく、きちんと皆さんに挨拶してから、お帰りになる姿に感動したわ。


最後はコバケンさん。寒さ対策で完全防寒のコバケンさん。


こちらも出口で丁寧に挨拶をされ、逆にこちらが恐縮してしまうほど。


こういう人たちがオーケストラという団体をリードしていくのねぇと感動でした。


帰ってきて、地元の方が寒くって参ったけど、素晴らしい演奏に感謝。お隣のおじいさんのことは運営上の問題やおじいさん個人の問題も含むから、簡単ではないけれど、でも、会場に集った人みなが楽しく思い出となるコンサートになるのが1番でしょ。


こうして、今年も明けました。


今年も私なりのペースで気ままに日記を更新していきます。お立ち寄り下さる皆様にもまたお世話になりますが、よろしくお願いいたします。