今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

オデッセイ(3D)


ゴールデン・グローブ賞 コメディ・ミュージカル部門で作品賞、主演男優賞を受賞した本作。あれっ、他にも受賞したかもしれないけど、なにしろ「コメディ・ミュージカル部門」という括りが気になって、気になって(•́ε•̀;ก)💦


観てみると、確かに人間ドラマではあるけれど、バックに流れるディスコ・ミュージックや火星独りぼっちの主人公のやたらとポジティブな姿勢からして、その部門に納得してしまう(´^ω^`)


多分、時代は近未来。火星に人間が到達することが出来る時代。NASAが飛ばした宇宙船に乗り組んだのは、様々な専門知識を持ったクルーたち。


火星でデータを取得してる最中に強烈な嵐に襲われる。嵐をやり過ごそうと提案したのは植物学者のワトニーだけ。


船長は決断する。帰還しようと。


ところが、本船に戻る途中、嵐の猛烈な力でそのワトニーは飛ばされてしまう。彼の生存反応を受信できず、船は飛び立って行く。


嵐の収まった火星で、ワトニーは一人目を覚ます。


広大な火星の赤土色の世界に一人取り残された現実にしばし呆然とするのだが、アンテナの器具が腹に刺さり、彼は生きるために立ち上がる。


基地に戻り、怪我の治療やクルーたちの荷物の片付け、当面の食料や燃料の確認が済むと彼には何もやる事が無くなってしまう。


そこで、考える。こんなところで死にたくないと。


生きるためにはどうすべきか。次の探査船が来るまで生き延びること。それは最短で4年。さらにその探査船は現在の基地から3200kmも離れたクレーター。


植物学者の彼は、生きるための食料と水を自分で調達しようと試みる。火星で自給自足。


船長の残した軽快なディスコ・ミュージックを聞きながら、彼は悲壮な挑戦を始める。


植物学者とはいえ、宇宙飛行士だ。それだけの訓練を受けている。様々な科学的知識と閃きで困難を1つ1つ乗り越えていく。その前向きな彼の姿と時代遅れのディスコ・ミュージックがマッチしてるのが可笑しい(*´∀`)♪


地球では既に彼は死んだことになっている。母船に戻ったクルーたちは、彼の不在を気にしながらも遠い地球への旅を続けている。


食料と水にメドが立つとワトニーは次の行動に。燃料と通信手段を手に入れること。緊急事態のために埋めた禁断の物体、プルトニウムを掘り出し、ソーラーパネルを設置し、前時代の遺物である装置を探し出し…


どこまでも負けない男。


でも、宇宙服に身を包み、岩に腰かけ、赤土色の大地を眺めてる後ろ姿は確かに寂しそう。どこまでも挑戦を続けるけど、きっと心の底では、明日の死について一時も忘れることは無かっただろうなぁ。


そこをバネに、また明日と前へ進める超人的な良い意味での楽観主義。


彼だから、生き残れたのだろう。


地球と交信出来るようになってから、彼の逞しさに追い立てられるように地球の人々も俄然やる気になっていく。それは帰還途中のクルーたちも同じ。


こうして、奇跡の帰還ミッションが始まる。


映画は、その大半がマット・デイモン演じるワトニーの一人芝居。火星の基地に設置された様々なカメラの視点で彼の生活が映し出される。


基地内であったり、赤土色の背景であったり、変化の少ないワトニーのシーンをその様々なカメラの視点で描くことで変化がつき、単調さを感じない。


端正な顔立ちで、真面目な印象の役が似合うマット・デイモンならではの役ではないかなぁ。


全編通して面白かった。宇宙飛行士たちのユーモアあふれるやり取りも、厳しい宇宙環境の中だからこそと思えたし。


ただ、1つ。船長のジェシカ・チャスティン…原作があるというので、それに沿ったものなのかもしれないが、ちょっと若い印象。シガニー・ウィーバーくらいのおばさんでも良かったんじゃないかと。


けして、ジェシカ・チャスティンが悪いわけでは無いのだけど…


3Dで観ましたが、宇宙に飛び散る破片なんかは、おぉ〜って感じだったけど、あとは特にこれと言った印象はなかったなぁ。


とにかく、本物のポジティブ・シンキングを観に劇場へ‼