今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

グランドフィナーレ


試写にて鑑賞。マイケル・ケインさんの主演ということで、どんな映画なのかなぁと楽しみに。


ところが、終始、私には難解な映画で終わってしまった(•́ε•̀;ก)💦


多分、この映画の監督さんの独特の世界観によるのだろうけど、私には無理かなぁ。


イニャリトゥ監督の「バードマン」を観た時の感じに似てる。お話の内容じゃなくて、私の観終わった後の感覚が…


主人公のおじいちゃんは、スイスっぽい美しい山々に囲まれた長期滞在者向けのホテルで過ごしている。


映画監督として最後の作品の脚本を捻り出そうと頑張る60年来の友人、新作の準備を兼ねて滞在するハリウッドの若手俳優、おじいちゃんのアシスタントを務める娘、そして、他の登場人物たちを凌ぐ存在感を発揮する杖をつき、酸素吸入器を外せない太った男。


みんな、それぞれ問題を抱え、自分の置かれた現実に葛藤して日々を過ごす。


ホテル故に、様々な人と出会う。その出会いの中で、自分の未来に1つの結論を導き出す。


ポール・ダノが演じる若手の俳優が、ホテルにいる様々な人の姿を通して役作りしたのがまさかあの役だとは驚いた。


そして、太ったおじさんが、どこかで見たことある人だ思いながら、なかなか思い出せなかった。


でも、世界中の人が彼が左利きだと知っているとか、テニスボールでのリフティングがやたらと上手いとか、金網越しにサインを求めるファンが群がってるとか…それで、段々分かってきた。


ソックリさんらしいけど、なんで彼が登場するのかもまた不思議な映画だった。


おじいちゃんは、指揮者であり、作曲家という仕事を引退していた。彼の過去の栄光にまだまだ人々の興味は尽きないようだが、彼は一切の表舞台を拒否していた。


そこには、若い頃浮名を流し、苦労をかけた妻への贖罪の意味もあったようだが、生きながら、魂を奪われてしまったような姿の妻に向き合うことが出来ないままでいた。


誰でも向き合うべき物の存在に真正面から向き合えない時がある。そうすることが、どれほど痛みを伴うか考えると躊躇してしまう…おじいちゃんほど苛烈ではないけれど、分からないではないなぁと思う。


ゆっくりと流れる日常。美しい山。のどかな森。ホントに素晴らしい美しさ。


時々、前後の流れと違うシーンが差し挟まれ、戸惑ってしまう。そこが私には難しかったな。そして、ちょっと長い(•́ε•̀;ก)💦