今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

シチズンフォー スノーデンの暴露


試写にて鑑賞。


世界の正義を自負してる思われるアメリカで、CIAなどの情報機関に籍を置いていたシステム・エンジニアの青年が、アメリカが個人的な通信の傍受や監視を密かに行っていたことを告発した。


しかも、彼は自分の所属を明かし、実名で告発するという手段を取った。


この映画は、彼が当初告発のために「シチズンフォー」という名でコンタクトをとったジャーナリストとの取材インタビューのやり取りを中心に実際の「その時」を追ったドキュメンタリー。


いくら正しい告発(正邪については私は分からないけど…)だと言っても、大国アメリカに喧嘩を打ったようなスノーデン氏。


熱い正義感に奮い立ってるのか、妙な高揚感に色めき立ってるのかと思っていたが、ホテルの1室でジャーナリストのインタビュー取材に応じる彼は、全く普通で、拍子抜けするほど落ち着いてた。


カメラは、ジャーナリストとスノーデン氏の語る姿を淡々と追っていく。


実名を公開したことで、逮捕が現実となってきた彼はジャーナリストとコンタクトを取った香港を脱出するに際して、メガネを外し、ヒゲを剃り、一応変装するのだが、それも悲壮感が無い。むしろ面白がっているかのような姿。


こんな普通の青年が、制限を受けず、国家機密の全てにアクセス出来る権限を持っていたということにも驚くが、不正と思ったことを堂々と告発して、揺らぐ姿を見せないことにはさらに驚いた。


ロシア向かった彼のパスポートがアメリカにより無効にされ、空港を出られないというニュースを耳にしたが、その後どうなったんだろうって。


彼は、もう今までのように生きてはいけないのだろうし、家族や友人のいるアメリカの地は踏めないのだろう。それでも、告発せずにはいられなかった彼のまさに「その時」を観る映画。


スパイ映画のような現実が、すぐそこにあると知る。その中心にいるのは、ホントに普通の青年だった。そこら辺にいる真面目な好青年…それが、現代の恐ろしさのようにも感じた。