今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ダーク・プレイス


ハリウッドの女優さんで一番好きなシャーリーズ・セロン。「マッド・マックス」で共に旅をしたニコラス・ホルトとの共演作を鑑賞。


シャーリーズ・セロンはとっても美しいのだけど、美しいのを前面に出す役よりも今作のような作品の方が生きると思う。


28年前、8歳だった主人公。夜に目が覚め、母親のベットに潜り込んだ。母親は彼女に言葉をかける。その晩、事件は起きた。


銃声で目を覚ました主人公リビーは母の「逃げて」という声に押されて庭の納屋に飛び込む。


あたりが静まり、落ち着きを取り戻したリビーが家で見つけたのは母と2人の姉の無残な姿だった。


1人生き残ったリビー。そして、現場から姿を消した兄が犯人だとされ、彼女は現場で兄を目撃したことを証言した。


生き残った妹の証言を受け入れ、兄は母と妹を殺害した犯人として、収監される。


事件直後からリビーの境遇に同情した人々から多くの寄付が寄せられた。だから、事件で負った心の傷に向き合うこともせず、その寄付をあてにして生きてきた。働くこともせず、金を弁護士に無心し、いよいよ金が無くなると事件に絡めた自叙伝を出版した。


それでも28年も経てば、彼女の不幸な境遇は忘れ去られ、金も底をつく。


ちょうどそんな時に青年が訪ねてくる。彼は「殺人クラブ」の人間だという。世間を騒がせた凶悪事件などを検討するグループだそうで、一家惨殺事件の唯一の生き残りとして、彼らの集まりに参加して、メンバーたちの質問に答えてほしいと依頼される。


その日の金にも困っていたリビーは、金目当てに重い足を向ける。自分はただ警察に言われたままに証言しただけなのに、クラブのメンバーからウソつき呼ばわりされ、罵倒される。


殺人クラブの青年からの後押しで、ずっと避けてきた兄との面会に望むリビー。ずっと、犯人は兄だと思い込んできたリビーは少しずつ冷静さを取り戻し、当時の記憶を辿り始める。


兄は母や妹を殺してはいないと言うが、それを裁判で争おうとせず、黙って刑務所に収監されている。それはなぜなのか。犯人だからなのか、あるいは誰かをかばっているのか…


事件の真相に少しずつ近づいていくリビー。そして、当時の兄の恋人の存在を突き止める。殺人クラブの青年はさらに事件と見せかけて自殺を幇助する殺し屋の存在を突き止める。


リビーは28年前の母の思いを知る。そして、兄の無罪を証明する…


長い長い年月を経て、初めて兄と心が通じ合う。だが、兄は兄で当時の決着もつけねばならず、事件は彼ら家族の人生を大きく歪めてしまったのだ。


子供だった彼らの選択が28年もの歳月をかけてやっと終わりを告げる。


映画「ゴーン・ガール」と同じ原作者の作品だそうだ。あちらの映画の印象があまり良くなかったので、映画としてはこちらの方が良かった。


子供時代の映像から現代へ移ってくる時も違和感無かったし、あっという間に引き込まれて見入ってた。


最初に出てくるシーンやさり気ないセリフに伏線があって、なかなかよく出来ていたと思う。


ただ、兄の恋人の人間性はなんだかよく分からないし、怪物的な存在なんだろうけど、そこが今一つ伝わらなかったように思う。


まぁ、リビーを主人公にしてるので、怪物の存在は掘り下げなくても良かったのかな?母や姉たちが殺されたのだが、その経緯は分かっても、犯人が分からない。誰が犯人かは分かっていても、その犯人が背景を持つ「人」として描かれてないから、犯人が分からない…


子供時代をクロエちゃんが演じた兄の恋人。この人、得体が知れなくて気持ち悪い。そんなこんなの残念なとこはありますが、私的には満足度の高い映画でした。