今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

グッバイ、サマー


いつも落ち着いた雰囲気が素敵なEBISU GARDEN CINEMAにて鑑賞しました。


外見が女の子のようで皆からからかわれるために好きな女の子にも今一つ正直になれない14歳の男の子ダニエル。


ある日、隣の席に風変わりな転入生がやってくる。テオという名の彼は、人の目など気にしない。


変わり者コンビは、それぞれ家庭にもそれなりの問題があり、なかなか大変だ。


だからこそ、2人は近づいていく。廃品回収で得た道具で彼らは簡単なエンジンを積み込んだログハウス型の車を作る。これがなかなかアイデアに富んだ一品‼


今どきの少年なのに、スマホも使えないアナログな彼らのひと夏の冒険は大人にこそ、もう戻れない若き日々を思い出させる。


ウマが合う2人だが、旅の途中にはいろんな事があって、反発しあったりもする。でも、結局また歩み寄る。


ケンカしてもすぐに仲直りして、また笑い合えるのはこの時期の独特のもの。なんだか、観る者の心をくすぐるような映画だ。


手作りカーで行ける所まで行く2人。大切な車を残念ながら手放すことになった後、帰路は飛行機でパリにひとっ飛びってのはちょっと出来過ぎだけど、ひと夏の冒険だから、許せるかな(^▽^;)


冒険は終わり、急に現実に引き戻され、テオにはとてもツラいことが待っていた。


一時代前のような頑固な父親に厳しく育てられ、窮屈な毎日を送ってきたテオ。それでも、好奇心が強く、いろんな事を知り、新しい世界に前向きな少年だ。


彼にとって、ダニエルは全く逆の境遇にあり、子供に歩み寄ろうとする両親に守られている。


互いに無い部分に引き付けられ、特にダニエルは大きく成長する。でも、テオだって父親とのギクシャクした関係を忘れさせてくれる存在がダニエルだったんじゃないか。


ラスト、2人は別な道を進むことになる。でも、彼らはこの夏の冒険を忘れることは出来ないだろうし、これからの支えになる事だろうという予感とともに幕を閉じる。


素敵な輝きを観ることができた。