今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

トレジャー オトナタチの贈り物


劇場で予告編を観た。僅かな時間のその中にはゆるい空気が流れてる印象が強かった。


そして、本編も同じだった(^▽^;)試写にて鑑賞。珍しいルーマニア映画


カンヌの「ある視点部門」でやたら長い名前の賞を受賞していた。他の映画祭でグランプリに当たる作品を「パルムドール」と言い、そのものズバリ「グランプリ」が第2位っていう映画祭だから、よくよく受賞タイトルの意味を知ってないと本質が分からない気がする…(^▽^;)


さて、お話は…


妻と小さな息子の3人で暮らす男。ある日、同じアパートに住む男から金を貸してくれと頼まれる。3年も家のローンを払っていないその男。頼まれても、自分だって家のローンに追われ、余裕の無い主人公は、気の毒に思いながらも断る。


でも、この人、人が好いのか、相手の苦しい状況をしっかりと聞いてあげる。私なら、サッサと話を切り上げるのに…


そんな彼の様子は相手の男につけ入る隙があると思わせたに違いない。1度は帰った男がすぐにまた訪ねてくる。


今度は怪しい誘いを持って。男の曽祖父が昔、自分の家の庭に「宝」を埋めた。その宝探しを手伝ってほしいと。金属探知機で宝の埋まっている場所を探すため資金を提供してほしいと。もちろん、見つかった宝は折半だと。


明日、家を差し押さえられるかもしれない男の話はどうも胡散臭い。そんなに金持ちだった曽祖父の遺産はなぜ底をついたのか。祖父や親はなぜその事に触れずに今に至るのか…


聞いてて十分怪しいのに、主人公はしばらく考えた後、怪しい宝探しに参戦することを決める。


金属探知機を使って調べる調査会社の男が社長に無断で探知機を使って小銭を稼ぐために協力を申し出る。


こうして、3人で始まった宝探し。庭のそこら中に反応する探知機。ウィ〜ン、ウィ〜ン、ウィ、ウィ〜ンっていう独特の音が耳について離れない。


目星をつけた場所を掘り始める。掘っても、掘っても何も出ない。でも、探知機は反応し続ける。


一向に先が見えない状況に、土地の持ち主の男と探知機の男はとうとう諍いを始め、探知機の男は立ち去ってしまう。


191cmの長身の主人公がすっかり隠れてしまうほど深くなった穴の中。それは突然目の前に現れる。


錆び付いた30cm四方の鉄の箱。この穴掘りの行、いろいろあって、人の姿も隠れるほど掘ったにも関わらず、目的の物が見つかった時の感動シーンは全く無い。


それまでの苦労を考えたら、掘り当てた物が何であれ、「見つかった」という事に少しの感動シーンがあっても良さそうなものだが、そういったシーンがないのだ。ただ、その物があったと思われる痕跡が穴の中にあるというカットが挿入されるだけ…Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッ


実は一事が万事、この調子で進むのだ。肝心なところがスルーされてしまう。


たとえ自分の土地であっても、掘り当てた物に歴史的な価値があった場合、警察に届けなければならない法律があるそうだ。そこで、緩い彼らは真面目に警察に届け出る。


錆び付いた箱を元泥棒の男を呼び出して警官の前で開けてみる。中にはなぜかメルセデスの株券‼


果たして、今も資産としての価値があるのか…


緩い人たちは、なんとも緩いお宝を発見する。でも、現在でも換金出来る物だと分かり、人の心を弄ぶだけの力を持ち始める。


そうなれば、当然のように怪しい申し出をした男は、ズル賢さを発揮して人の好い主人公に難癖をつける。


この辺り、私、全然話についていけてなくて…淡々と続く穴掘りシーンのせいで寝落ちしたのかと思うくらいにシーン毎の繋がりが欠落していた。予想通りに繋がらない。


エッと思う間に次のシーンに進んでしまい、煙に巻かれた感じで、誰かに確認しないといられない…


小さな息子に株券を宝だと見せた主人公。でも、息子は宝とは金銀財宝の事だと思っている。


ラストで主人公は息子の思う宝を錆び付いた箱に入れて見せてやる。息子にとって、お父さんはヒーローだ。


主人公の人の好さ…それはよく分かった。最後の決断に至る流れがやっぱり私は寝落ちしてたとしか思えないほど唐突にやってくる(^▽^;)