今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

シング・ストリート 未来へのうた


評判が良くて、上映期間が伸びてる映画。知ってはいたけど、タイミングが悪くて、なかなか観られず。


上映館もほとんどなくなってきて、慌ててシネマート新宿へ。残念ながら、既に極狭のスクリーン2へ追いやられておりました。


ほぼ同じ時間にスクリーン1で志田未来の映画やってたけど、ほとんど観てる人居なかった。そんな状態なら、スクリーンを取り替えてほしい。同じお金払って、この扱いの違いは悲し過ぎる。


スクリーン1が混んでるなら、まだしも、ほとんど人影見なかったのに…(T^T)


最前列以外はほとんど空席も無い状態で鑑賞。ドリンクホルダーもカバン掛けも無いシートでほぼ満席は劣悪な鑑賞環境だよね。。。


でも、映画は良かった。まず本編でかかる音楽が懐かしい。主人公たちが歌う曲じゃなく、バックにかかる曲。これらは私も学生時代に聞いた曲だから、なんだか自分の若い頃を振り返っちゃう。


まだ15歳の主人公。ムチャをするにはちょっとキツい。でも、そうでもしないとやってられない。


両親の諍いが絶えない家。変な宗教心に煽られた両親は離婚もできず、法的な別居と言って、子供たちの不安などお構いなし。


海の先にロンドンが見える街。自分の街は先行きが見えず、夢を追う者達は海を越えて行く。


主人公の兄もかつては夢を抱いて飛び出そうとしたが、母の強い反対にあい、留まざるを得なかった。


明るく弟を励ます兄の心の奥には、強い後悔と挫折感があった。新しい学校で、窮屈な日常から抜け出すために自分の恋心を正直に歌に託す弟を複雑な思いで見ていたはずだ。


それでも、最後は弟の無謀な賭けに力を貸し、自分の出来なかった道に一歩踏み出した弟を誇らしく見送る。


なんてカッコいいんだ、お兄ちゃん。


このお兄ちゃんの存在無しにこの映画は語れない。


そして、カッコいいと言えば、主人公がそれぞれ学校では変わり者である仲間達と組んだバンドがほんとにカッコいいのだ。


おばさんの目から見ても、15歳の少年達が輝いて見えて、カッコいい。


なかなか思い通りにはいかない毎日だけど、どこかで思い切らなければ、先へは進めない。そんな当たり前のことを大人になって世間の目が気になり出すと忘れてしまう。


まだ、希望を信じ、夢にかける勇気を持つ若い時代。年長者の切り開いた道を自分なりに進む特権を持つ若い時代。その時代が輝きを持たないはずが無い。


ラストで荒波に向かって小船を走らせる主人公に拍手を送りたくなった。


それにしても、外国の15歳はしっかりしてる。