試写にて鑑賞。試写室や公会堂ではない、シネコンでの試写会なので、指定席チケットが劇場オープンから発券されている…ってことで、1時間前に行ったのにヘボい席(T^T)
みんな、どんだけ前に来てるんだ(๑• •๑)?
さて、本編。
ヒュー・グラントやメリル・ストリープの主演映画ってあんまり観た記憶が無いんだなぁ(^◇^;)遠い記憶を辿り、「マディソン郡の橋」が…
この映画は前に別バージョンで公開された映画と同じ?恵比寿だかでやってた記憶が…後発のこの映画はハリウッド・リメイク版ってことで良いのかな?
マダムをたいそう大事にしているダンナは、マダムの喜ぶことなら、少々の無理でもあちこち手を打って、なんとか夢をかなえてあげてきた。
それは、彼女が最初の結婚で夫から重い病をうつされ、その後奇跡的に50年も生き長らえてきたから。
無理のきかない体で、いつ果てるともしれないその命。売れない俳優稼業を早々と諦め、マダムの夢の実現に奔走してきた。
マダムと旦那は普通の夫婦ではない。マダムの病が原因で、旦那は愛人との二重生活を送る。それでも、マダムに尽くすことは忘れない。
マダムの夢は、大好きな音楽を思い切り楽しむこと。病気が原因でピアニストの夢を諦めたマダムは、なにより音楽の素晴らしさを知っている。
ピアノがダメなら歌だ!!
マダムは思いっきり歌う。これまで旦那の息のかかった批評家や友人の音楽愛好家ばかりに囲まれて歌ってきたマダムは自分の歌の力量を知らない。
音程を外すくらいは普通で、突拍子もないところから高音を発声する彼女の歌。それでも、彼女は気持ちよく歌う。
彼女の歌の力量を知りながらも高い報酬に惹かれて伴奏を引き受けた若いピアニストは、いつしかマダムの純粋な音楽への愛に心を打たれ、心をこめてピアノを弾くようになる。
病気のためにいつも「死」が側にあったマダム。心のどこかにいつも淋しさがあったマダム。
まるで、少女のように可愛らしくて純粋なマダムは自分の財力を武器に、とうとうカーネギー・ホールでのリサイタルを開いてしまう。
最初は彼女の音程の外れた歌を笑い飛ばしていた観客たちだが、最後には彼女の歌を応援しながら、大拍手を送った。
辛辣な批評を載せたNYポスト紙を目にしたマダムは現実を知ってしまうけれど、未だにカーネギー・ホールの最高アベレージはマダムのリサイタルなんだそうだ。
しかも、自主制作したマダムのレコードはベストセラーとなったそうだ。
音楽は素晴らしい。それをあらためて感じさせてくれる。
歌の上手い下手はあっても、真心こめて、思いのたけを目いっぱい詰め込んだ歌声は必ず聞いた人の心を揺さぶるのだと教えてくれる映画だ。
マダムの調子っぱずれの歌をたくさん聞いたけど、なぜかその歌声で、心が軽やかになり、爽やかな余韻を残す不思議な映画だった。
でも、この映画の舞台は1944年のマダムが最期をむかえる時だ。戦争中だと気づくのは帰還兵の姿を見た時だけ。ニューヨークの街の風景を見てもそんな雰囲気は微塵も感じられない。こんな国と戦争してたのかと…そんな現実も突きつけられる。