今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ブルゴーニュで会いましょう

久しぶりのBunkamura ル・シネマ。やっぱり、落ち着く映画館だわねぇ。でも、予約した人用の発券機を早いとこ設置してほしいわぁ(^▽^;)


さて、本編。


お酒は全く飲めないので、ワインの知識も全く無い私は、ブルゴーニュボルドーも何がどうなのかさえ分らない(^▽^;)


それでも、ワイン農家に生まれたお父さんと息子との家族再生の物語ということだけは分かる。


出来上がったワインはおしゃれの最先端みたいな飲み物だけど、そこに至るまでは自然との闘い。地味な作業の積み重ね。


時代の流れに任せて、機械に頼り、手を抜くと結果はワインの味に直結する。


天候に左右されるワイン農家の厳しい生活は、息子達の若い世代には窮屈だ。だから、長男は早々と家を出て、都会に向かった。


けれど、先祖代々のワイン農家の血を完全に拭い去ることが出来なくて、ワインの世界に居続け、そのテイスティングで名声を得る。


そんな息子の耳に、妻との離婚を機にワイン造りへの情熱を失った父が農地を手放さねばならないほどの窮地に追いやられているという話が届く。


ワインのテイスティングでは有名な息子も、葡萄の栽培やワインの醸造に関しては全くの素人だ。


それこそ、時代と共に人々が手放してしまった昔の製法に立ち返って一から始める。父親が抱えた借金の返済は、息子の造るワインの成否にかかっている。


優雅に暮らせる生活を捨て、故郷でワイン造りに没頭するうちに、そこはかけがえの無い場所だったことに息子は気づく。


彼は頑なに自分のやり方を押し通す。試行錯誤を繰り返し、初めてのワイン絞り出した時、父親は安心して、自作の舟を持って憧れの海へ向かう。


次世代への引き継ぎを済ませた父親だが、ワイン造りは家族で行うものだという口癖はどこかへ置いてきてしまったのか?


本格的にワイン造りを始めた息子が、今度はその言葉を父親に伝える。


やっと分かり合えた素敵なラスト。


見渡す限り葡萄畑が広がる大地。澄み渡る空と色づく葉の合い間に葡萄がふくよかに育つ。朝露に濡れる葡萄が美しい。


美しい風景と優しい人々のワインを巡る日常は、特に事件が起こるわけでもなく、派手な出来事もなく、地味だけれど、心にふわりと暖かい空気が流れてくるような映画だった。


だから、今度、ブルゴーニュで会いましょう?