今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場


試写にて鑑賞。タイトルがカタカナだととんだ勘違いを生む。どうしたわけか、「アイ」は「EYE」でなく「I」だと思い込んでた(汗)そしたら、文法上おかしくなるよね?


「空の目」を通して描く戦場の「今」を観ることになるわけだが、とにかく緊張感ハンパない。


現代の高度な情報戦の結果、技術開発は進み、とんでもない情報収集の「武器」が登場する。


鳥や虫の形をした超小型カメラがラジコンのように遠隔操作されて、作戦本部が欲しい映像を瞬時に届けるシーンには「えっ?」とマジで驚きの声が出てしまった!!


こんなおもちゃのような機械が国や軍のトップが高度な判断を下すための情報戦の最先端で活躍しているのだ。これは映画の世界だから?


実際にどこまで、現実なのか分からないけれど、俳優たちの緊迫した表情も相まって、観てる側には妙にリアルな感触を残す。


長年追い続けたテロリストを捕縛することが目的だったが、やっと突き止めた居場所は、テロリストたちの制圧した区域だった。


イギリスもアメリカもその国さえも手を出せない現場で、テロリスト達が次の自爆テロの準備を着々と進めているのが判明した時、今後起こりうるテロによる被害を最小限に食い止めるための爆撃の是非を決定するまでの論戦が話の中心。


ピンポイントで爆撃するとはいえ、街中の家だから、当然ながら近隣の被害が予想される。


そこに1人の少女が登場する。


テロリストとは関係の無い子供がターゲットの家の近くでパンを売り始めた。


軍のトップも行政のトップも、さらには実際に空の目をコントロールしてミサイルを撃つ兵士も、その少女の巻き添えを予想し、判断を鈍らせる。


自分が判断を迫られると自分以外の人間に判断を委ねる行政のトップたち。その中で、毅然とした対応でブレないのはやはり軍の人間だ。


しかし、その軍の兵士の中でも実際にデータから被害を予想したり、ミサイルの発射ボタルを押したりする「現場」の兵士は、行政のトップのように判断をたらい回しにすることは無いが、上官の命令にギリギリまで譲歩を迫る。


それでも、爆撃は敢行される。目的を果たすための高度な判断。それについては、それぞれの立場で、それぞれの考えがあるのだろう。


軍と行政のトップ会議で、最後まで一歩引いたところから意見をしていた女性官僚が軍のトップにたしなめられる。


あれは軍からしたら、本音なのかな。官僚達は、ほんとに会議室から命令するだけだから。


人と人とのやり取りについては、会議室以外はみなマイクや電話を通して行われ、現場の状況は画面で見る。非現実的な状況が、現代のリアルなのか。