今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

MERU/メルー


試写にて鑑賞。山映画好きなので、試写会に大喜び*\(^o^)/*山は登らないけど、山は好きσ(^_^;)


ヒマラヤのメルー峰。初めて耳にする山の名前。8000mを越えるエベレストなどは良く知られているが、他にも難攻不落の山がたくさんあるのだ。実際、世界の名だたるクライマーが命を落としたり、遭難するのは8000m峰ばかりではない。


メルー峰は6500mほどで、高さはそれほどでもないのだが、なぜ多くのクライマーの挑戦を跳ね返しているのか?


降るほどの星空を背景に映し出されるメルー峰は、ほぼ垂直なのではないかと思うほどの壁を持っている。


テントだって、崖用の吊り下げ型にしなければならない恐ろしいほどの過酷さ。


映画では高さだけではない山の本当の厳しさを見せつける。


そこに挑戦した3人のクライマー。1人は世界的に名を馳せるコンラッド、1人は山岳カメラマンとして1級の山々の姿を披露し、本作の監督でもあるジミー・チン、1人は今回初めて彼らとチームを組むクライマーで過激な登攀で名の知れた若いレナン。


長年の夢であったメルー峰登頂を10年近くコンビを組んだジミーと自分の後を託すレナンと共に挑戦したコンラッド。彼の思いが家族や仲間のインタビューと共に語られる。


実際の登山の映像はジミーが小型カメラで撮ったそうだ。重い装備を背負いながら、カメラを手にするその勇気に畏れ入る。


初参加ながら、1番体力もあり、その強さを買われて、先頭を行くレナン。


それぞれの過激な挑戦も嵐に足止めされたせいで、頂上まで150mに迫りながら、無念の下山を強いられる。


彼らの最初の挑戦から3年後。その時はやってくる。その間、様々なことが起こり、彼らの再挑戦は無謀とさえ思われ、彼らを知る家族や友人は皆が反対した。


しかし、彼らの思いは既にメルー峰に向かっていた。


彼らの初登攀の様子とそれまでの来し方が語られる映画で、彼ら本人と家族と共にあのジョン・クラカワーのインタビューが何度も登場する。山って言ったらというより、冒険って言ったら、ジョン・クラカワー!!


実際に登山する人なら、世界的なクライマー達の言葉に感動するんだろうな。山に登らなくても、彼らの山への情熱に触れてなんだか胸が熱くなる。


見たこともないような美しい姿のメルー峰と人を呑み込む厳しさ。その対比がなんとも…


コンラッドがなぜ山に登るのかとカメラを向けるジミーに問われ、笑いながら答える「景色が見たいから」と。


そんな素朴な思いが彼らの過激な登攀を支えてるのだ。


そして、ラスト。念願のメルー峰初登頂を成し遂げた彼らは頂上に腰掛け、誰も見た事の無い景色を存分に楽しむ。もちろん、私達観客も。


ジミーが彼らが投げ出した足の先にカメラを向ける。なんとそこには深い断崖のような壁が見える。どんな3D映画にも負けない奥行きをスクリーンに映し出す。


くるりとまわるカメラの目線。そして、初めて分かる。頂上はなんと狭い場所なのかと…


山好きの方は是非とも劇場で。あの迫力はスクリーンで観るべきです!!