今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ショコラ 君がいて、僕がいる


試写にて。シネスイッチ銀座で目にした予告編が良かったので、楽しみにしてた。試写で観られて、ラッキー*´▽`)b


まだまだ人々がドレスなんか着てる時代。かつて、奴隷として扱われていた頃に比べれば、黒人にも多少は生きる道が開けてきた時代らしい。。。


でも例えば、サーカスの中で彼らが演じるのは人喰い人種で、観客たちを驚かせて金を得る。


そんな屈辱的な黒人青年の姿をサーカスのテントで見つけた道化師。かつては華々しく活躍していた彼も時代の変化に付いて行けず、落ちぶれて過去の人になっていた。


人のやったことのないサーカスでの演技に挑戦しようと2人はコンビを組む。


8歳で農園に売られ、主人の子供に暴力をふるわれたことで、そこを逃げ出し、その後様々な仕事をしてきた黒人青年は、身分証も無く、本名すら聞かれることは無い。


その彼に「ショコラ」という名が付けられ、フティットとのコンビで人気を博していく。


黒人ではあったけど、サーカスで人気者になったショコラは、表立って差別されることは無かった。でも、一度問題が起これば、世間は容赦ない。


ショコラはサーカスの中で笑いをとるためとは言え、相方の白人に蹴られて笑いを取ることに強い屈辱感を味わう。そして、多くの報酬を得ても、背伸びして散財し、賭け事にハマっていく。


どうしても拭いきれなかった屈辱感に悩み、彼は道を踏み外してしまう。


白人に蹴られて笑いを取るサーカスでなく、シェイクスピアの芝居で黒人役を演じてみせることで、黒人俳優としての評価を得ようと舞台に立ったショコラ。


世間の差別との狭間で悩みながらも、ショコラは見事な演技を見せる。演出家や共演者たちも頷く演技だったのだが、観客の反応は全く逆だった。


拍手を送る人々を押しのけるように罵声が飛ぶ。


黒人として、白人をも上回る演技を見せた途端、見る側の白人たちは手のひらを返すように背を向けていく。


辛く暗い時代…厳しい環境下で成功を修めた感動作というより、1人の青年が人種差別が横行していた時代に翻弄されていく社会派的な映画ともいえるんじゃないかな。


ショコラ自身も賭け事に手を出したり、金を使いまくったり、有頂天になってたのもあるんだけど、最後の落ちぶれ度合いはちょっとね。


でも、華々しかった頃に出会った白人女性とその息子が、ショコラの最期を看取ったのにはちょっと感動。人として、互いに歩み寄ったということなんだろうから。


ショコラとフティットの関係をわりと丁寧に追っていくし、さらにショコラの転落ぶりも描いていくので、2時間弱の上映時間が少し長く感じるかな。


実際のフティットとショコラの映像も見られるので、貴重な映画です!!