今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ラ・ラ・ランド


試写にて。アカデミー賞の前哨戦で作品賞など主要部門での受賞が相次ぐ本作。アカデミー賞でも、14部門ノミネートという快挙。日本での公開は2月24日で、アカデミー賞は日本時間2月27日開催という、絶好のタイミング。


試写会場も話題作とあって、一ツ橋ホールが満席という凄いことになってました。


基本的に、よっぽど出演者に興味が無ければ、ラブ・ストーリーはチョイスしない私。ミュージカルも苦手だ。


突然歌い、踊り出すのがどうにも理解出来なくて。セリフにメロディがついてるのがねぇ(~_~;)あっ、でも、インド映画の歌と踊りは別。あれは、群舞としての威力がスゴイでしょ?ストーリーに全く関係ない群舞とか。あの徹底ぶりにお手上げだもの。


仮にアカデミー賞をとっても、多分誰かに誘われるとか、ポイント鑑賞でタダで見られるとかじゃないと劇場には行かないだろうなぁと思ってたので、試写状が届いて、ホントにラッキー(^▽^;)


ストーリーは、夢を持つ若者の出会いと別れを描くラブ・ストーリーの王道。


聞いてもらうこと、つまり売れるために今の要素を取り入れようとする仲間たちとは線を引き、スタンダードなジャズに拘るピアニストの男。ジャズ・バーのあり方にまでこだわるので、昔、名店と言われた店を自分の思う本来の形に戻したい。


でも、今時の客の要望に添えない彼にはピアニストの仕事がない。


かたや、実家のある街で大学に通っていたのに、子供の頃に見た女優の叔母の姿が忘れられず、中退して故郷を飛び出した女優の卵。映画スタジオのコーヒー・ショップでバイトしながら、いつかは自分も夢の舞台にとオーディションに明け暮れる。


そんな2人が偶然出会ったところから始まる。季節は冬。カリフォルニアが舞台なので、冬とは思えない明るい日差しがスクリーンに。これだけでも、夢に向かって進む2人の若々しさを象徴してるようで、この先にけして暗い未来が待ってるとは思えない。「希望」を暗示してるようだ。


偶然の出会いを重ね、季節を重ね、1年経った頃、2人に転機が訪れる。


実家の母親からの電話に、男との将来を問い質された女は、自分の店を持ってジャズで生きようとする男の話をするが、親ってのは総じてどこの国でも「安定」を求めるのだ。大それた夢を語る娘に現実を語る。「金はあるのか?」と。


答えに窮し、「貯金があるだろう」と確かめもせずに答える女。それを離れたところで耳にした男は、それが女の希望だと思い、自らの夢はひとまず先送りにして、売れるバンドに参加する。


ここからは、もうよくある展開。。。


少し目先が違ったのは、転機となる場面に「歌」や「音楽」があったこと。


ラスト、互いに自分の夢を見失いそうになった時、それぞれが相手に「それで良いのか?」と問いかけ、軌道修正。それは1番近くにいて、1番互いの夢を知ってたから。自分以上に相手に夢を諦めてほしくなかったから。


そして、おまけのラスト。2人がそれぞれ夢を追いかけた結果の5年後。。。男がステージでピアノを弾く場面で、違った未来も描き出される。人生の転機となる場面で別な選択をしていたらという未来。


本当に最後の場面、やっぱり女って(世間一般の女っていう意味で…)、現実的だよなぁ…と思って、正直ドン引き(~_~;)彼女は、淡い青春時代の思い出として心に留めるのか、一生の後悔として心に留めるのか…結局、女次第だった2人の恋って感じ。


これなら、それぞれ自分の夢に向かって歩き出す5年前で終わった方が良かったな。全編、ファンタジー風のミュージカル形式で描いてきたのに、最後の最後で現実的な締めって私はちょっと。


ひとまず、話が終わって、「あっ、まだあるのか」と5年後が流れるというのは、よく邦画にあるパターンで、そこまで完結させる必要ないのにってよく思うけど、まさにそんな感じの終わり方。


夢を追う物語のラストが、超現実的というのが、どうにも皮肉な物語。でも、挫折しそうになりながらも2人が出会ったからこそ、2人の夢がかなったんだという良い結果での締めってことで…


ミュージカルとラブ・ストーリーがお好きな方にはオススメだと思う。ただ、ちょっと長いけど。。。こういう傾向が苦手な人にはかなり長い。。。(汗)個人的感想。。。


「セッション」の監督さんの作品だそうです。私は「セッション」の方が良かったな。というより、衝撃的だったなと。。。(^▽^;)