今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

哭声 コクソン


「チェイサー」のナ・ホンジン監督作品と聞くだけで、「怖いの?」って確認したくなる。で、大丈夫そうなら、観てみようかと(汗)


でも、大丈夫そうじゃなくても、國村隼さんが出てるとなると観ないとダメじゃん(汗)


韓国映画は、やたらと怪しい日本語を話す「日本人」が登場するのがテッパンなワケだけど、最近はハリウッド映画でも、しっかり日本人が画かれてるので、そろそろお隣の韓国もどうにかならないかと思ってた矢先に、思いっきり日本人俳優を起用するという。。。(笑)


韓国の青龍映画賞で、國村隼さんは外国人として初めて助演男優賞を受賞したそうだ。ハリウッドならともかく、日本や韓国で主要な俳優賞を外国人が受賞するって凄いことだと思うわけだ(ง •̀_•́)ง


それをやってのけちゃった國村隼さんの熱演を期待して劇場へ。朝の初回は20人位でのんびり鑑賞。おじさんばっかだったのはちょっと。。。(汗)


美しい山と川、緑をたたえた森。風光明媚な田舎の村。川岸で釣りに興じるのは國村さん演じる「よそ者」。ふっとい指でミミズを釣り針に仕掛ける場面。なんだか、これから起こる怪しい出来事を暗示してるのか?ミミズをそこまでクローズアップしなくても(寒)


森の奥深くに住む日本人。山に暮らしてることは知ってても、言葉の問題もあるのか、彼についてちゃんと知っている村人はいない。それが「噂」を生む。


彼が居着いた頃から村では怪しい事件が起こり始める。日本で言うなら、「狐憑き」。突然暴れ出し、前後の判断が効かなくなった人が家族を襲う。現場の凄惨さに立ち尽くすのは、地元の警官。家に帰れば、良きパパの彼は元々は臆病者だから、村人や友人の「噂」には耳も貸さない。


でも、自分の大切な娘に奇行のきざしが見え始め、それまで無関心だった彼が1番の追及者となる。


娘の奇行も家族ではどうにもならないところまで来て、町の祈祷師を呼んで、盛大に祈祷を始める。


結果はまぁ、大変なことになってしまうんだけれど、結局この映画は何だったのか?


虐殺事件の謎を解くサスペンスでもなく、スリラーというにはずいぶん湿っぽい(洗練されてない…悪霊だもの)、そして、狂気に陥る人々はゾンビっぽいし…あの舞台となる村の「田舎」の風景がまた粘っこい印象を与えるんだな…


日本人の目で観てるから、國村隼さんが演じる「よそ者」は何の因果か、悪霊に取り憑かれた村人を守ろうとしてるらしいと分かるけど…


主演の警官クァク・ドンウォンさん。ホントは悪役の映画俳優さんだけど、テレビドラマの出演がきっかけで、最近ではいろんな役を演じてる。良きパパも上手い。でも、イヤらしいネチネチした役が1番上手い人だよね(汗)


そして、祈祷師のファン・ジョンミンさん。ほんと、こういう怪しい印象の嘘くさい役をやらせたら、上手いよねぇ。泣かせる役者でもあるのに正反対の胡散臭い役も見事に演じる名優。


さらに、警官の娘を演じた子役ちゃんは見事としか言いようが無い。韓国映画界は次々と名子役が登場するな。


そして、悪霊の親玉。。。この人の解釈が難しい。あの村に取り憑いたということで良いのかな?感情の読み取れない表情をどう受け止めるか…


韓国映画は基本的に長い。本作も156分だとか。でも、そんなに長尺は気にならなかった。むしろ、あっという間だった。大筋で話が決着し、あぁお前もか…的な終わり方になるんだけど、そことは別バージョンで國村隼さんのラストも用意されている。あれはどう考えたら良いのかな?


田舎の村に取り憑いた「悪霊」がメインだった話が、最後の國村隼さんの様子で「えっ?」と。おいおい。。。


とにかく、おどろおどろしくて怪しい世界のお話だから、好き嫌いはあるかもしれないけど、私は面白かった。ただ、殺人現場の描写や犯人たちの造形はちょっと恐ろしいので、せめてPG12くらいの指定はした方が良いんじゃないかと思ったけど…


最後まで、この話はどこに向かってるのかとは思ったけど(笑)