今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

オリエント急行の殺人


現在公開中のケネス・ブラナー監督の「オリエント急行殺人事件」の原作。子どもの頃、本作や「ナイル殺人事件」とかも映画化されて、クリスティー作品が何本か続いた記憶があるけど。


オリエント急行の殺人」アガサ・クリスティ著(早川書房クリスティー文庫)


以下、感想。。。





















名探偵ポアロがたまたま乗り合わせた「オリエント急行」。海に囲まれた日本ではちょっと想像つかない長い長い列車の旅。寝台特急で最終目的地に到着するのは2日後?3日後?いくつもの国を抜けて、ベッドの用意をするなど細かな対応をしてくれる車掌もいる。移動ホテルという感じだ。正直、読んでるだけではイメージ涌かないけど、最近の「四季島」なんかを思い浮かべれば良い感じ。


映画でも、列車は豪華で車内の装飾も素晴らしかった。よほどの金持ちか、何かの記念で一念発起でもしない限り乗ることはないだろう。だから、ここに身分も仕事も違う様々な人が乗り合わせ、満員になるとは考えにくい。


そこが、事件として着目する出発点なんだろうな。一般人はそんな視点は持ってないから、ポアロという人はどこまでも冷静だということだ。


ドラマのポアロ、映画のポアロ、そして、小説の中のポアロ。。。


雰囲気もイメージもちょっと違うけど、それでも話が面白いから読めちゃう。


豪華列車という動く密室の中で起きた殺人事件。全てが周到に用意された事件のからくり。


犯人が謎解きをベラベラ喋る興醒めなお話が多いなか、ポアロが関係者を前にして、事件の謎を解き明かす。それがこのお話の場合、1番良い方法だったろうなぁ。


誘拐殺人事件をきっかけに関係者が同じ思いを強くして、凶行に。悲しい話だ。


ポアロは探偵で警官ではない。そこが、この小説の大事なポイントなのね。


お初のアガサ・クリスティ作品。面白かったので、他も読んでみようかな。。。