今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

オンリー・ザ・ブレイブ


山火事に出動した消防士を描く自然災害映画だと思ってた。しかも、CMで見る予告編はなぜかEXILE(正確にはいろんなグループがあるらしいけど、知らないので代表的なグループ名で…汗)の歌が流れる。


何、これ?と思った。そんなメジャーじゃない映画や逆にメジャー過ぎてわざわざタイアップとか、なんだかとってもイヤな気分。そしたら、劇場ではかからないと聞いて、少しホッとした。だって、映画観たら、全然イメージ違ったよ、あの曲!!


ってことで、感想です。まさに「男たちの映画」って感じです。実話です。


翌週に「ハン・ソロ」の公開が控えてるからなのか、公開館は思ったほど多くなくて、地元では鑑賞できず(涙)スクリーンの大きさや音響設備の点では、確かにメインの公開館に行った方が良いのは分かってるんだけどね。でもね、多少設備の点で目をつぶっても、地元で映画が観られるって大きいと思うの。すぐそこに映画がある中で育った人とそうでない人では、映画への愛着に雲泥の差が出ると思うの。


シネコンの存在は確かに大きいよ。大きなショッピングモールなどに隣接して、黙ってても基本的な集客が見込める。メイン館の公開からしばらく待つこともなく、一斉に新しい映画が観られる。でも、目新しく、注目度の高い俳優ありきの映画に重点が置かれ、秀作と言われる目立たない作品があっという間にスクリーンを去る。ネット配信という新手の手法でこぼれ落ちた秀作は生き延びるしかないのか?どんなに小さくても、大勢の人と固唾を飲んで作品に観入る、その空気が映画の醍醐味でもあるのに…(T_T)


私がう〜んっとお金持ちなら、そんな映画館を作ってみたいけどね。夢のまた夢、どころかあり得ない話だけどね(^_^;)


さて、感想だ、感想!!


その日が楽しければ良いというグータラ生活をしていた青年。ちょっとしたいたずら心の出来心が、警察の御用となり、刑務所へ。付き合ってた彼女には子供が出来た。しかし、こんな男じゃそっぽを向かれても仕方ない。


彼は自分を立て直すために、全くの冒険を選択する。地元の森林消防隊の新人募集に応募するのだ。それまでの生活を脱却するため、今までの生活とは正反対の場所を選ぶ。


いつ起こるともしれない森林火災。いざという時のために、消防隊の訓練は厳しいものだ。ヨレヨレになりながらも、必死で食らいつく青年。いつしか、仲間に認められ、1人の立派な消防士になっていく。


そんななかで、彼の努力を認め、彼を受け入れようとする彼女。しかし、森林消防隊は、一度山火事が発生すれば、広大な山をいくつもの消防隊と共に消火を行うので、留守がちでなかなか時間を取ることが出来ない。


青年は決断する。愛する子供のため、拠点を定め、建物消防に移籍しようと。


その決断を父のように慕う隊長に告げ、思い悩んでいた時、事態は一変する。


9.11以降、消防士が最も多く犠牲になった森林火災が発生する。広大な原野を焼き尽くす猛烈な火の勢い。思わぬアクシデントから、孤立してしまった彼らの隊の孤独な闘い。涙、涙、涙。実話だから、奇跡は起きない。彼らの命懸けの闘いの結果が厳しく突きつけられる。


こういう人たちに守られて、幸せな日常があるのだと実感する映画。


名も知らぬヒーローたちの愛する人を守る闘い。キャストを見れば、もう少し大公開でも良いのにねと思ったが、夏の大作続きのスケジュールの中では仕方なかったのかな。ぜひ、劇場で!!


劇場でって言うより、スクリーンでって感じかな。森林消防隊が対峙する業火の勢いは、テレビサイズでは伝わらない気がする。


日本でも山火事のニュースは時折耳にするけど、アメリカのそれは全く規模が違うのね。森林火災の恐怖は誰もが知ってるから、山で誰かの火の不始末とかあり得ない。そんな状況下でも火が起こる。自然発火による火災。。。


隊長が新人を連れて初めてランニングに出た時、山の上から、木々の緑を見下ろして言う「火災源」という言葉が恐ろしい。木々の緑を見て、清々しいとか気持ちいいとか、心洗われる気持ちになることは、彼らには許されない。


シビアな勇気ある闘い。森林火災の恐ろしさ。消火活動の手順など知らないことも多かった。火災源となる木々を排除し、火を誘導するために燃料を撒く。一度、火に包まれてしまえば命は無い現実を真正面から捉える隊員たちには現場での隙は無い。


物凄い映画を観せてもらいました。