本日、読了したのは、本当に読んでおくべきだと思った本。。。
8月を迎える前に読んでおいて良かった。。。
もう5〜6年前になるのかなぁ。
転勤族の友人が広島に転居して…体調をくずしたりして、心配だったこともあって、格安出張パックで訪ねたことがあるんだ…
なかなか、飛行機の席が確保できなくて…
やっと1席確保できたのは出発の前々日。。。(^-^;
なんで、こんなに飛行機が確保できないのかなぁ〜って不思議に思いながら、広島空港に降り立ったのを覚えてる。
友人に街案内をしてもらい、原爆ドームを初めて見た。
そして、平和記念公園へ…
そこまで行って、私は初めて気づいたんだよね…その日が8月4日だって…(;_;)
園内の芝生広島には白線が引かれ、トラックの荷台から次々と折り畳み椅子が下ろされ、白線に沿って並べられていく。
8月6日の平和記念式典…に向けての準備だったんだよね。
ニュースでは何度も目にしていながら、自分とはどこか違う世界のように捉えていたんだよね…(--;)
飛行機がいっぱいだったのも道理。この時に合わせて帰省する方達がいたんだよね。
自分の無頓着ぶりが本当に恥ずかしくて…
まぁ、そんなお馬鹿さんの話は置いといて…
本日の本は…
『生かされている命 広島・長崎「二重被爆者」、90歳からの証言』山口彊(ツトム)/講談社
以下、感想です。。。
まず、二重被爆をされた方が少なくとも167人いるという事実に驚かされる。
広島と長崎…
原爆被害については、ひとまとめに語られることが多いけど、こうして山口氏のように二重に被爆した方が現実にいるとなると、それはしっかりと別な出来事として捉えていかねばならないと思った。
山口氏は比較的裕福な家庭に育ち、しっかりと教育を受け、「自分」を確立した人だったからこそ、こうして、後世に語り伝えるべき書物を形にできたのだろう。
これこそ、山口氏の生かされた「使命」なんだろうなぁ。
戦争へと時勢が突き進むなかで、比較的正直に生きていくことの許された数少ない人ではなかったか…
だからこそ、晩年になり、ペンを執ることができたのではないか…
その時、その時をただ「生きる」ために費やしてきたと書かれているが、その正直な姿勢は本書の全編を通して、読む者に訴えかけてくる…
文章も読みやすく、気取りがない。
原爆投下から広島の惨状の描写は、子供の頃に読んだ「はだしのゲン」を思いおこさせられる。
あのままの世界が現実に存在し、多くの人々が命を落とし、また、そこから多く人々が立ち上がった。
その生き証人である山口氏の素晴らしい文章力に敬意を表したい。