読了。
『橋をかける 子供時代の読書の思い出』美智子(文春文庫)
美智子様がご自分で小説を書かれたワケではなく…IBBY(国際児童図書評議会)のインド大会において、ビデオテープによって、基調講演をすることになった美智子様の初稿とそれに至る過程をIBBYの日本人会員である方々が書き残されたものが、1冊の本になっている。
以下、感想。。。
皇族という立場にあるとあれこれ制約があるんだろうなぁ。。。
ましてや、皇后様だもんねぇ。。。
政治的な問題のために、皇后様のインド大会出席が見合わされ、大会役員の落胆ぶりを想像すると私まで、肩を落としたくなる…
美智子皇后は沢山の良書に出会えるはずの子供時代に戦争を経験し、その機会はかなり少なかったはず…
他の人々に比べれば、たとえ疎開生活の中にあっても恵まれた環境だったとは思うけど、お父様が疎開先に届けてくれたほんの数冊の本を慈しむように何度も読み返して過ごす…
当時の本から学んだことが、その後の自分に少なからず影響をもたらしたことが、皇后様の言葉で語られている。
この本を読んで、皇后様は英訳を担当され、翻訳者としての顔を持つことを知った。
まど・みちおさんの80篇の詩を英訳し、4冊の本にして、英語圏の数ヵ国で出版されていた。
皇后様が英訳したまど・みちおさんの本が大変好評だったことから、まど・みちおさんはIBBYからアンデルセン作家賞を受賞している。
詩人やアジア圏の作家が受賞するのは大変珍しいことなんだって!!
こんな形で日本のために活動されている皇后様。。。
感動しました。